頼みの国内事業も頭打ち
もっとも、米国事業の出血を止められたとしても未来が拓けるとは限りません。以下は国内事業の取扱総額の推移です。
こちらは何と、4四半期にわたって頭打ちの状況が続いているのです。上場直後がピークとなっていて、これでは「上場ゴール」と言われても仕方ありません。
メルカリはフリマアプリで一大市場を築きました。使いやすいアプリを作り、PCをあまり使わない主婦層に広く受け入れられたのです。「ペットボトルの蓋」も売り物になるなど、不用品の売買に新たな機会を提供してきました。
しかし、その流れはあっという間に止まってしまいました。どちらかと言えば、購入者より出品者が不足しているようなのです。
私もメルカリで何点か出品したので、その理由が分かる気がします。
最初は楽しくてどんどん出品したくなります。しかし、飽きてくると途端に出品するのが面倒になってしまうのです。商品の写真を取って説明を書き、売れたら梱包して発送しなければなりません。これははっきり言って「労働」です。
頑張って出品しても、コメントが付いたかと思えば「値下げ交渉」でうんざりしてしまいます。ヤフオクに慣れた身としてはどうしても受け入れられません。その上、売れた金額から10%もの手数料が取られてしまいます。
結果、手元にお金が入るまでに「労働」「値引き交渉」「梱包資材」「手数料」という何重ものコストがかかってしまうのです。これでは新たなユーザーには浸透しにくいでしょう。
すなわち、フリーマケット市場は決して成長市場だったのではなく、それまでの空白地帯に急速に浸透しただけで、飽和になるのも早かったのです。
このように、市場の成長が本当かどうかは、よく見極める必要があります。