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貧困でも病気でも死ねない地獄。人生100年時代と生涯現役の最凶タッグが日本人を襲う=鈴木傾城

生活保護受給者の半数近くは高齢者

貯金も足りず、年金も足りず、さらに健康寿命も失って長生きするというのはどういう状態になるということか。

言うまでもなく、長生きすればするほど貧困に落ちていくということである。長生きし過ぎると、ほとんどの人は困窮の度を増していくことになる。

それを裏付けるのが生活保護受給者の内訳だ。現在、生活保護受給者の半数近くは「高齢者」である。

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高齢者は歳がいけばいくほど働けなくなる。いくら健康であっても年齢と共に身体は言うことを効かなくなるし、必ず寿命よりも前に健康寿命が消えるのだから、高齢層が困窮していっても不思議ではない。

そう考えると、人生100年時代になって「長生きできるから良かった」と単純に喜べない現象であることが分かるはずだ。「経済的に困窮して貧困の中で幸せに生きられるのか?」と問われれば、誰もが「ノー」と言うしかない。

カネを使わなくても幸せに生きられると言っても、医療や介護は「タダ(無料)」ではない。諸経費は必ず貯金を食い潰していく。

カネのために奴隷のように酷使される未来

今後、人生100年時代に向かう中で、社会保障費の増大や高齢者の生活保護受給者の増加が止まらなくなる問題に対して、社会はどのように対処するのか

実はもう答えは出ている。その答えは「高齢者にはギリギリまでずっと働いてもらう」というものだ。

「本当に動けなくなるまで働く」「死ぬ一歩手前まで働く」というのが、人生100年時代の高齢者に課せられた義務になる。それを前向きな言葉で言ったのが「生涯現役」である。

「最近の高齢者は元気だ」「高齢でも立派に働ける」とよく言われるが、いくら高齢者が元気だと言っても、高齢者はどうあがいても若年層と同じような働き方はできないし、そんな気力も体力も健康も持ち合わせていない。

Next: 「生涯現役」は呪いの言葉か。日本人の老後はますます過酷になっていく

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