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ノーベル経済学者・スティグリッツ氏の提言をスルーする日本マスコミ=三橋貴明

スティグリッツ教授の提言が「緊縮財政&構造改革」に政治利用される恐れ

消費税増税に反対を続けていた中日新聞が、なぜかスティグリッツ教授の「財政出動するべき」という提言に対し、

「経済分析会合 いいとこ取りはやめよ」
「消費税増税延期や補正予算編成の方便だけに利用することは許されない」

などとヒステリックに社説で書いていました。何をやりたいのでしょうか、この新聞は。

それはともかく、スティグリッツ教授の提言は、↓ここで読めます。
第1回 国際金融経済分析会合 議事次第 – 首相官邸

問題意識が、三橋貴明の「新」日本経済新聞の論客と全く同じで、解決策も酷似しています。現状を素直に受け止め、経済学という「学問」ではなく、論理に従って考えれば、解決策は当然ながら共通になるのです。

間もなく、ポール・クルーグマン教授が来日し、スティグリッツ教授に似た提言を日本政府にすることになるでしょう。

怖いのは、スティグリッツ教授やクルーグマン教授の提言が、「緊縮財政&構造改革」推進のために政治利用される可能性です。

「消費税増税を延期します」だけでは、全く信用ができない

そんなバカな、と思われたかも知れませんが、以下のシナリオはいかがですか?

5月のサミット前もしくは直後に、「国際協調」のために、増税「延期」と多少の(五兆円規模の)財政拡大が発表される。但し、財政政策はインフラ投資「抜き」で、一億総何とかに回す。

さらに、7月の参議院選挙を衆参同時選挙とし、またもや、「消費税の増税延期」を争点に持ってくる。

結果的に、与党が勝利したことを受け(勝利するでしょう)、増税「延期時期」つまり将来的な増税日を確定させ、構造改革路線を邁進する。

要するに、14年12月の第47回衆議院議員総選挙の二番煎じを狙うわけですね。安倍政権としては、別に消費税増税をやりたいわけではないでしょう。やりたいのは、構造改革です。

財務省にしても、ここまで景気が悪化してしまったのでは、さすがに増税強行は困難であることは理解しています。というわけで、「将来的な増税、支出削減」のために、ここは一歩譲る、と。

衆参同時選挙で安倍政権が盤石のものになれば、

国民の信任を受けた

ということで、緊縮財政と構造改革をこれまで以上のペースで進めていく。という「可能性」もあるわけですね。

何を言いたいかといえば、安倍政権が、

消費税増税は間違いでした。消費税増税は凍結(あるいは減税)し、インフラを中心に財政拡大による需要創出でデフレ脱却を果たします

と、宣言するならばともかく、

消費税増税を延期します

だけでは、全く信用ができないという点です。

この手の「シナリオ」も心に秘めつつ、容赦なく「間違いは間違い」と批判していくことが、今の日本国民には最も求められているのだと思います。

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三橋貴明の「新」日本経済新聞』2016/3/19,21号より

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