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かんぽ生命はブラック企業になるために民営化したのか?廃業すべきレベルの犯罪=今市太郎

そもそも高齢者が積極的に入るべき保険は医療保険ぐらいしかない

もともと日本は、世界的に見ても生命保険に加入する個人が極めて多いことでも知られています。

年齢の変化とともに加入すべき保険は、健常者だけが加入できる保険との乖離が徐々に広がりを見えているのが現状です。

しかも、高齢者が加入すべき保険は、死亡保険ではなく、医療保険など非常に限られたものしか効力を発揮しないのが実情となっています。

しかし、今回のかんぽ生命の無茶苦茶セールスでは、新規契約者の7割以上が60歳以上という、ある意味常軌を逸した内容になっています。

不必要な契約を特定の高齢者が数十件も加入するという、典型的な詐欺状態が横行していたことがわかりはじめています。

「桜を見る会」にマルチ商法の親玉を招待していた云々の話が問題になっていますが、このかんぽ生命の商売はあきらかに違法行為であり、およそ公社が民営化してまでやるようなものではないことが明確になってきています。

被害者は40万人以上? 自前の調査委員会では1万2,800件としているが…

かんぽ生命の保険の不適切な販売問題を調査してきた外部の弁護士による特別調査委員会は、12月18日に調査報告書を公表。

法令や社内ルールに違反する疑いのある販売が、これまでに1万2,800件あまり確認されたことを明らかにしています。

その一方で、12月中旬の時点で保険料の返還や契約復元など何らかの対応が必要な苦情は40万件に及んでいるとされ、泥棒が自分で開いている調査委員会などでは本当のことがさっぱりわからない状況に陥っています。

クリントン元米大統領がモニカ・ルインスキーさんとホワイトハウスで不貞行為に耽っていたことが露見してから、「不適切」などという中途半端な言い方が社会的にすっかり定着しました。

しかし、これは早い話、不法・脱法・コンプライアンス違反の重大な事案であり、「適切ではない」などと社会的影響力の低い言い方をすべきものではまったくありません。

3,000万件、1,900万人におよぶ全契約者から考えれば結構少ない数字に見えますが、そもそも生命保険なるものはそんなに苦情の出るような商品ではなく、民間の生保が受ける苦情件数をはるかに上回るかなり大きな規模であることがわかります。

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