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かんぽ生命はブラック企業になるために民営化したのか?廃業すべきレベルの犯罪=今市太郎

3ヶ月の業務停止だけ?

金融庁は、保険業法違反で3か月の業務停止を考えているようです。

その内容を、現職の総務事務次官が、元の総務事務次官で現在日本郵政の副社長でNHKに対して「暴力団のような取材である」とクレームをつけた人物に情報漏洩したというのですから、役人の負のスパイラルも止まるところを知らない状況になってしまっていることがわかります。
※参考:日本郵政のドン 漏えい先の鈴木上級副社長―総務事務次官更迭 – 時事ドットコム(2019年12月20日配信)

政府主導・掟破りの親子上場だが、ぜんぜん復興財源確保にはつながらない

政府は、郵政株の持ち株比率を、現状の57%から郵政民営化法の規定する3分の1超に下げることを2019年4月には発表し、本来であれば、今年の8月から遅くとも10月までには売却することを考えていたようです。

しかし、この問題が明るみに出てからは、ほとんど売却できる状況ではなくなっており、株式市場では掟破りの「親子上場」の株のゆうちょ銀行かんぽ生命全株売買を目指すとした姿勢もどこかへ消え失せている状況です。

もともとは、この株売却で1.2兆円あまりの復興財源を確保する予定だったのでしょうが、足元の株価ではまったく実現不可能で、逆に今株を放出しても、株価はさらに下落しかねないところに陥っています。

問題が起きるとすべてのデータをねつ造・隠蔽・廃棄する世界的にも稀有なシュレッダー内閣は、恐らくトップだけ首切りをして、言うことを聞く役人をトップに据えてほとぼりがさめるのを待つつもりなのでしょう。

こんな企業の株の売却に固執しても、すでにまったく市場価値のない事業の株を市場に出すこと自体がきわめて不誠実な姿勢になると考えられ、即刻中止すべき状況です。

もちろん、今の状態では中止せざるをえない訳ですが…。

組織犯罪レベルから言えば、民間生保なら廃業が正しい措置

通常、保険に関しては募集人と呼ばれる、いわゆるセールスとともに保険を引き受けるかどうかを判断するアンダーライターと呼ばれる職種もあり、高齢者が複数、しかもひとりで数十件も保険に加入するというのは明らかにおかしいものとして、詳細のチェックをすることが求められています。

確かにどの民間生保でも、問題のある募集人が発生してクビになるようなケースはないわけではありません。

しかし、今回のかんぽ・ゆうちょの店頭販売における問題は、そんな生易しいものではなく、完全に組織犯罪の域に達しているものと言えます。

過去2005年頃、不払い問題で金融庁から厳しい指摘を受けた民間の生損保(生命保険会社と損害保険会社)では、いわゆる「POS」と呼ばれる引き受け後の支払いを担当する責任部門の人間は、社内コンプライアンス違反を理由に、金融庁からの厳しい圧力で相当数が辞職に追い込まれています。

ですが、今回のケースでは個別の問題人材の募集人資格はく奪どころではなく、企業として廃業にすべき状況にあることは間違いありません。

Next: 同じ問題がまた起きる? 日本はどこまで腐りきってしまったのか…

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