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トランプか、トランプ以外か。米大統領選に波乱が起きると米国株は転がり落ちる=近藤駿介

株価維持に使われる「米中貿易交渉」

昨年末から米中貿易交渉が報復合戦から「部分合意」に向けて方向転換し始めたのも、米中両国の利害が一致したからに他なりません。

大統領選挙で再選を目指すトランプ大統領にとっては、FRBの利下げ期待が剥げ落ちる中で米国株式市場の強気トレンドを維持するために「米中貿易交渉部分合意」の必要性が強まって来ていました。

中国側にも旧正月である春節(2020年は1月25日)を控えて、豚コレラの影響もあり国民食といわれる豚肉の価格が1年間で倍に高騰している事態に早急に手を打つ必要があり、農産物に関して両者の利害は一致したといえます。それ故に中国側は米国産豚肉と大豆の一部について追加関税を免除し、これに呼応する形で米国側も12月15日に予定されていた追加関税を見送ることにしました。

こうした「米中部分合意」を好感し、株式式市場は12月以降8回も史上最高値を更新してきました。

大統領選挙が本格化する2020年は、トランプ大統領は米中貿易交渉の進展を小出しにして株式市場の期待を繋ぎとめようとすることになりそうです。

しかし、それは米中貿易交渉が解決することとは異なります。解決というゴールに達してしまうと、それ以上市場の期待を繋ぎとめることが難しくなりますので、次なる合意に期待を消さないためにも完全合意はあり得ないと考えておくべきでしょう。

米国経済は成長し続けられるのか?

とはいえ、127カ月という史上最長の景気拡大期にある米国経済を、さらに拡大し続けるということは容易いことではありません

しかも1期目に減税も財政支出もかなり増やしていますし、政策金利はすでに1.50~1.75%まで引き下げられており、利下げによって景気浮揚を図るには利下げ余地があまりにも少なくなってきています。

毎年1月は、年金資金などのアセットアロケーションを組む投資家が新たに動き出す時期に当たります。

リスクの塊のようなトランプ大統領が誕生してから、米国株式市場は様々なトランプリスクが叫ばれる中で40%程度上昇してきています。これによって、市場全体の動きとは異なったリターンを目指すヘッジファンドから、市場全体と同じリターンを目指すファンドへのシフトが強まって来ています。

こうした投資家のインデックス志向の強まりがさらにインデックスを押し上げ、その結果、ヘッジファンドからの資金流出を強めるという循環が見られています。

こうした大きな流れを考えると、2020年の米国株式市場は堅調、あるいは底堅い展開からのスタートになる可能性が高いように思います。

問題は、トランプ大統領再選のシナリオに黄色信号が灯ることがあるかどうかです。

Next: トランプ再選が危ぶまれれば株価は墜落? 2020年は金融市場の転換期に

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