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コロナで生活困窮。「学費減額」を求める署名活動、明治学院から早稲田・慶応など各大学に

TBS NEWSは23日、学生団体が行った新型コロナウイルスの感染拡大の影響に関する調査で、39.7%の学生が「家族の収入が減った、または無くなった」と答え、13人に1人が大学を辞めることを検討していることを伝えた。「アルバイトの収入が減った」と答えた学生が37.4%、「ゼロになった」と答えた学生が23%で、あわせて6割を超えたという。

朝日新聞も、食費を1日200円以内におさえアパートの電気を消して暮らす学生や、就職活動やインターンシップに使う予定で貯めていた貯金を切り崩さざるを得ない学生など、生活と学業に困窮する学生たちがいることを報じている。

家庭の経済的な事情により、アルバイトなどで学費を捻出している学生にとって、緊急事態宣言で多くの事業者が休業や事業縮小に追い込まれたことへの経済的な打撃は大きいだろう。しかし新年度を迎えるにあたり、多くの大学は昨年までと同額の学費や施設費用、設備費等を学生に求めているため、「払えない」「学業を諦めざるを得ない」という声があがっているのだ。

学生たちにのしかかる負担は授業料だけではない。キャンパスの閉鎖によりオンライン授業に切り替わったことで、パソコンやインターネット環境を整備したり、図書館が使えないことで図書費・資料代がかさんでしまう。そもそも、施設・設備費用として徴収されている学内施設やサービスの多くが使えないのに、満額支払わなければならないのは理不尽だろう。

このような状況を改善すべく、学生たちが自ら動き始めた。明治学院大学の学生が「コロナウイルスによって生じた大学施設閉鎖による春学期分の学費一部免除」と題する署名活動を行い、学長に対し学費の一部免除を求めたことに、多くの学生が賛同。早稲田大学、慶應義塾大学、中央大学、法政大学、立教大学など多くの大学に波及している。

明治学院大学の村田玲音学長は21日、「新型コロナウイルス禍に対する明治学院大学の対応について」という文書を出し、遠隔授業を実施するためのオンライン環境の整備費用として奨学金積立額から在学生全員に一人当たり一律5万円を支給すること、特別奨学金による救済措置を行うこと、春学期学納金の納入期限を延長することを表明。「今後の情勢の変化に伴い、上記内容に変更が生じる場合もある」と前置きしつつ、現時点で「授業料」「施設費・設備費」の返還ならびに減額は考えていないと発表した。

JCASTニュースの取材に対し、明治学院大学は一律5万円の支給について「署名活動の影響はない」としているが、SNS上では明治学院大学の決定を「英断」などと評価する声があがっている。また自ら声をあげた学生らへの賞賛の声が相次いで投稿されている。

署名活動の発起人となった学生は、これから大学とこの署名を元に協議を行うこと、ゆくゆくは他大学と連携を取りながら政府に補助金を求める活動をしていくことを表明している。令和最初の学生運動の波が、すぐそこまで来ているのかもしれない。

Next: 署名活動を行なった学生と対応した大学に称賛の声

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