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なぜ安倍政権はコロナ対策をデータで示さない? 数字の無力さと答えを出せぬリーダー=深沢真太郎

いまコロナ禍にいる我々は、数字で語ることの大切さを痛感しています。特にリーダーが数字で語ることの重要性です。なぜ自粛なのか。どうなれば解除なのか。国民が「数字」を求めます。でも、肝心の「数字」が出てこない。今回は数字から答えを導き出すために必要なことを解説します。(『深沢真太郎の「稼ぐ力がつく! 数学的思考の授業」』深沢真太郎)

※本記事は有料メルマガ『深沢真太郎の「稼ぐ力がつく! 数学的思考の授業」』2020年5月12日号を一部抜粋したものです。興味を持たれた方は、ぜひこの機会に初月無料のお試し購読をどうぞ。

プロフィール:深沢真太郎(ふかさわ しんたろう)
ビジネス数学教育家。理学修士。国内初のビジネス数学検定1級AAA認定者。予備校講師や外資系企業での管理職を経て研修講師として独立。数字や論理思考に苦手意識を持つビジネスパーソンを劇的に変えてしまうその独特な指導法が「史上最強にわかりやすい」と好評。担当した講義は100%リピート依頼がくる人気講師である。大学でも教鞭をとる傍ら指導者育成にも従事し、ラジオ番組のパーソナリティなどメディア出演も多数。さらに作家として著作は国内で累計13万部超。一部は海外でも翻訳され多くのビジネスパーソンに読まれる。

そのデータは本当に正しいのか?

ビジネス数学教育家、深沢真太郎です。このメルマガはあなたの数学的思考力を飛躍的に高めるヒントをお伝えするものです。多くの大手企業やプロスポーツ団体などに採用されている研修プログラムがベース。実践し続けることでビジネスで使える数学的思考が身につきます。

数字と論理で考える力は説得力あるロジック作りに役立ちます。それはつまりビジネスコミュニケーションの質が劇的に高まる。それは突き詰めていけば、あなたの「稼ぐ力」を高める。これがこの授業のコンセプトです。

私の研修にご参加いただいたある方からこのような質問をいただきました。

自分が読んだ数字が「真実」か「錯覚」か、どうすれば判断できるか?

なるほど。いい問いだなと思いました。

データを読み解く。でもそれが正解なのか思い込みなのかわからない。どうしたら?

確かに。

私がした回答をそのままご紹介したいと思います。皆さんもぜひ読んでみてください。

数字は「事実」を教えてくれるが、「答え」を教えてはくれない

以下、前述の質問への回答です。

「真実」か「錯覚」か判断するのに難しさを感じています、とのこと。

ひとつ重要なこと。

数字は「事実」を教えてはくれますが、「答え」を教えてはくれません。数字はあくまで「仮の真実」、つまり「仮説」を作ることまでが役割なのです。

例えば、今のコロナの錯綜する情報などはその典型です。

いつ何名が感染したかという「事実」ははっきり教えてくれます。でも、いつ収束するかという「答え」は教えてくれません。

モデルを使って予測を語ることはできますが、それは「答え」ではなく「仮説」に過ぎません。誰もいつどうすれば収束するかわかりませんよね。

ビジネスもそれと同じです。

そういう意味では、データで「真実」など誰もわかりません。「真の原因」など実は誰にもわからない。やってみないとわからない。3年後になってみないとわからない。そういう話です。

今回の研修でも学んだ構造化思考も同じだと思います。「わける」と「つなぐ」で課題を構造化し、解決すべきものの優先順位を決めます。でもその優先順位通りに実行して本当にその課題が解決できるかどうかは、やってみないとわかりませんよね。

私も現役時代、売上予測を数値で上司に示した時によく言われました。「本当にその売上いくの?」と。

私の答えは「んなことわかりません。でもそうなると仮定して進めません?」です。

よく考えれば、この上司の質問は極めておかしいですよね。魔法使いでもない限り、未来の数字がどうなるかなんて誰もわかりません。「本当にそうなるの?」なんて質問をすること自体、本質がわかっていない証拠です。

「数字=答え」ではありません。
「数字→答え」です。

数字をもとに仮説を立て、それをもとに確かめ、実行し、結果が出て、初めてその仮説が正解だったことがわかります。

ビジネスには正解がありません。

でも多くのビジネスパーソンが正解を欲しがり、データの中にそれを求めます。失敗したくない、そう思っているからです。

でも、失敗したくないとビビっている人が、正解のない世界で成果を出せるものでしょうか。。。私はそうは思いません。

データは大事です。でもそこに「答え」はありません。

「真実」か「錯覚」か判断するのが難しいという問いに対する私の答えは、「どちらでもない」です。

Next: 皆さんも仕事で数字は用意できるけれど、「でなんなの?」という問いに――

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