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三菱電機、液晶撤退は日本製造業「終わりの始まり」か。ネット上で「残念」「英断」の声も

三菱電機は15日、2022年6月をめどに液晶事業から撤退するとホームページ上で発表した。

同社によると、完全子会社メルコ・ディスプレイ・テクノロジーでのTFT液晶モジュール生産を終了し、液晶事業を終息するとのこと。撤退の理由として、グローバルでの価格競争が想定以上に激化したことで、製品競争力の維持が困難な状況になったと説明している。

今後は、液晶事業に割いていた経営資源をパワーデバイスなどの成長牽引事業群へシフトし、さらなる成長・発展を目指すとしている。

共同通信によると、「三菱電機は工場の製造機器や建設機械などの産業向け、カーナビなど自動車向けの液晶を製造してきた。撤退後は自社製品に搭載する液晶を外部から調達する」と伝えられた。

同社が個人向け液晶ディスプレイ事業から撤退したのは2013年のこと。2022年6月以降は、産業用・車載用を含めて完全に液晶事業から撤退することになる。ネット上では、今でも三菱電機製ディスプレイを愛用するユーザーからの撤退を惜しむ声のほか、「埼玉スタジアム」などで採用されている大型映像装置(オーロラビジョン)の今後について心配する投稿も見られた。

ついに日本の製造業も本格的な衰退へ向かうのかとの嘆きも聞かれるなか、実は今回の液晶撤退を「英断」として評価する向きも少なくない。先日6月11日には日本経済新聞が「三菱電機、200億円投じパワー半導体の工場新設」の見出しで伝えている通り、不採算事業はすぐに撤退し、力を入れるべき分野にしっかりと投資できる経営体制だと評価することもできる。

三菱電機<6503> 日足(SBI証券提供)

三菱電機<6503> 日足(SBI証券提供)

きょう6月15日の三菱電機<6503>の株価は前営業日比−3.51%の下落となったが、日経平均株価も−3.47%の下落となっている。今後の同社の成長を投資家たちはどう見るか。明日以降の株価に注目が集まりそうだ。

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Source:三菱電機, 共同通信, 日本経済新聞
Image by:Alexander Tolstykh / Shutterstock.com

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