安倍政権の「次」も政策継続か?
前述のように、安倍首相の体調問題もあり、今年の秋口には衆院解散・総選挙になだれ込む可能性は非常に高い。コロナ禍でやりづらい面もあるが、それを理由に政治を停滞させるわけにはいかない。一方の野党も動き出している。準備が整う前に自民党は仕掛けてくるだろう。
そうなると、次期政権がこれまでの安倍政権および日銀の政策を維持するのかどうかが、投資家にとって最大のポイントになる。海外勢の関心はそこにしかないだろう。もっとも、安倍政権が米国の操り人形であることを考えれば、継続される可能性は高い。
ただし、日銀ETF購入やマイナス金利はFRBの評価が低い。いずれ日銀が止める可能性も少しは念頭に置いておくべきだろう。そうなれば非常にわかりやすくなる。株価は支えを失い、フェアバリューに下げるだけであろう。この点にはきわめて細心の注意が必要である。
一方、マザーズ指数の堅調さが際立っている。こういう指数を少しでもロングにしておくと、今回のような大相場で収益を追加的に上げることができる。いまのように、日経平均株価やTOPIXなどの主要株価指数がもたついている状況では、投資家の資金は新興企業の株式に向いやすいのだろう。値動きもよく、投資家のトレード妙味が高まっているのだろう。マザーズ指数がさらに高値を目指すのかに注目したい。
海外勢に無視される日本株
日経平均先物は引き続き2万3,000円を下回った水準での推移である。なかなか買い意欲が高まらないようである。米国株は堅調だが、ますます日米の株価の格差が開いている。経済構造の背景などを考慮すれば仕方がないだろう。日本人は日本株を当然のように投資対象の中核に置くだろうが、世界的な視野を持てばそれはあり得ないということになる。
日本株は世界の時価総額の1割以下である。中国よりも下である。少なくとも長期的な投資は米国を中心に据えるべきであることは言うまでもない。そのうえで、日本株は収益を上げるためのツールとして利用することを考えるとよいだろう。
つまり、トレーディングツールであり、長期投資の対象ではないという位置づけである。長期投資の対象から完全に外す必要はないが、中核にはなりえないことはすでに解説した通りである。