来年に向けた仕込みのチャンス到来か
市場は乱高下する可能性をはらんでいるが、そうなればその時である。素早く対処するしかない。最終的に、前週の下げはやりすぎだったということになるのではないかと考えている。
今年は前週まで見ると、主要資産で上昇が目立つのがナスダック100のETFであるQQQの27.56%上昇である。また、S&P500グロース株のETFであるIVWも16.87%上昇している。また、テックETFのXLEは22.31%上昇である。さらに、中国株のETFであるASHRも20.95%上昇と、高パフォーマンスを示している、一方、金ETFのGLDは23.28%、銀ETFのSLVは31.89%、それぞれ上昇している。さらに、債券では20年超の長期債ETFのTLTが17.67%の上昇と検討している。このように、上げているETFはかなりのパフォーマンスになっている。
結局、1-10月はハイテク株と金・銀、長期債に投資しておけばよかったということになる。過去のパターンを見ると、翌年も同じパターンになることはあまりない。したがって、来年はハイテク株ではなく、別のカテゴリーのセクターが上昇する可能性は十分にある。あえてパフォーマンスが特に悪いものに投資しておくと、翌年は大きなリターンが挙げられる可能性がある。念頭に置いておいてもよいだろう。
ちなみに、国別では、ブラジル(EWZ)、フランス(EWQ)、イタリア(EWI)、メキシコ(EWW)スペイン(EWP)、ロシア(RSX)、英国(EWU)の下落率が軒並み20%を超えている。
IJR (S&P500スモールキャップ、13.02%下落)
IVE(S&P500バリュー、13.19%下落)
IJJ(ミッドキャップ400バリュー、16.70%下落)
IJS(スモールキャップ600バリュー、19.90%下落)
DVY (DJ配当、18.70%下落)
XLE(エネルギー、49.55%下落)
XLF(金融、20.84%下落)
USO(石油、75.35%下落)
UNG(天然ガス、24.38%下落)
最大のリスクは、大統領がなかなか決まらないこと
米大統領選を前に投資家心理は不安定なままであろう。その大統領選もいよいよ目の前に迫ってきた。
最大のリスクは、投票結果が不透明になり、大統領がなかなか決まらない状況になることである。トランプ氏が敗北を認めないリスクも市場では懸念されている。どのような状況になるかはわからないが、それをあらかじめ予想して短期ポジションを取ることはできない。最終的には市場の動きに合わせるしかない。
もっとも、下げれば長期ポートフォリオ戦略の範囲で押し目を粛々と買っていくだけである。このポリシーを忘れて安値で売ってしまえば、これまでの積み上げがすべて無駄になる。とにかく、大きく下げて深押しになったときが資産を増やすチャンスである。
今回の米大統領選でそのようなチャンスが来るかは不明だが、そのような動きになれば、果敢に買い下がっていけるように準備しておきたい。無論、短期的に下げがきつくなれば、短期トレードでショートを保有し、利を伸ばすだけである。
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本記事は『江守哲の「投資の哲人」〜ヘッジファンド投資戦略のすべて』2020年11月2日号の一部抜粋です。全文にご興味をお持ちの方は、バックナンバー含め今月すべて無料のお試し購読をどうぞ。本記事で割愛した米国市場や日本市場、為替、原油各市場の詳細な分析もすぐ読めます。
『江守哲の「投資の哲人」〜ヘッジファンド投資戦略のすべて』(2020年11月2日号)より一部抜粋
※タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による
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株式・為替・コモディティなどの独自の市場分析を踏まえ、常識・定説とは異なる投資戦略の考え方を読者と共有したいと思います。グローバル投資家やヘッジファンドの投資戦略の構築プロセスなどについてもお話します。さらに商社出身でコモディティの現物取引にも従事していた経験や、幅広い人脈から、面白いネタや裏話もご披露します。またマーケット関連だけでなく、野球を中心にスポーツネタやマーケットと野球・スポーツの共通性などについても触れてみたいと思います。