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トランプ勝利は決定事項。バイデン敗北で金融市場は反省・大反転する=江守哲

米国債の動向

米国債は長期債の売りに伴いイールドカーブがスティープ化し、長短金利差は6月以来の大きさとなった。米大統領選後に新型コロナウイルス追加経済対策が可決され、多額の国債入札が実施されるとみられている。新型コロナ感染者の増加や大統領選をめぐる懸念を背景に米国株から資金が流出し、リスクオフの動きが強まっているが、米国債の追い風にはなっていない。

一方、11月3日の米大統領選でトランプ氏、バイデン氏のいずれが勝利しても追加コロナ対策が実施されるとの見方は多い。

大規模なコロナ対策は多額の国債入札につながる。特にバイデン氏は連邦最低賃金の引き上げやインフラ・環境関連での数兆ドル規模の投資を明言し、入札規模を一段と拡大させる方針を打ち出している。

そのため、民主党が勝利すれば、非常に巨額かつ迅速な刺激策が実施され、多額の入札が行われるとみられており、米国債市場はこれを織り込む一方、米国株は選挙前にややリスクオフとなっている。

投機筋ポジション(10月27日時点)

<S&P500ミニ先物>

ネットポジション:+115439枚(前週比+57609枚)
ロングポジション:+427706枚(前週比+31254枚)
ショートポジション:+312267枚(前週比-26355枚)

<ナスダック100ミニ先物>

ネットポジション:-491枚(前週比-6554枚)
ロングポジション:+65835枚(前週比-278枚)
ショートポジション:+66326枚(前週比+6276枚)

<ダウ平均先物>

ネットポジション:+2577枚(前週比-3751枚)
ロングポジション:+37572枚(前週比-3825枚)
ショートポジション:+34995枚(前週比-74枚)

<CME日経平均先物>

ネットポジション:-1904枚(前週比+1970枚)
ロングポジション:+7055枚(前週比+1029枚)
ショートポジション:+8959枚(前週比-941枚)

<2YR T-NOTE先物>

ネットポジション:-240265枚(前週比+1585枚)
ロングポジション:+420131枚(前週比+17688枚)
ショートポジション:+660396枚(前週比+16103枚)

<5YR T-NOTE先物>

ネットポジション:-357675枚(前週比+8563枚)
ロングポジション:+408488枚(前週比+15418枚)
ショートポジション:+766163枚(前週比+6855枚)

<10YR T-NOTE先物>

ネットポジション:+16212枚(前週比-6784枚)
ロングポジション:+544854枚(前週比-17476枚)
ショートポジション:+528642枚(前週比-10692枚)

<T-BOND先物>

ネットポジション:-259953枚(前週比-23317枚)
ロングポジション:+114708枚(前週比+13437枚)
ショートポジション:+374661枚(前週比+36754枚)

<FED FUTURES先物>

ネットポジション:+224520枚(前週比+6250枚)
ロングポジション:+467056枚(前週比+8365枚)
ショートポジション:+242536枚(前週比+2115枚)

米国株の投資戦略の考え方

米国株は米大統領選挙を前に売られている。特に直近ではハイテク株の下げが目立っている。これまでと異なり、けん引役だったセクターに売りが出ているが、これは将来見通しが立たない中で利益確定売りを優先させる動きである。

いまは米大統領選を前に投資家心理は不安定な状態にある。したがって、なかなか買い上がっていけない。しかし、これは時間が解決してくれる問題である。したがって、準備をしたうえで対処できるように体制を整えておくことである。

1928年以降、24回の米大統領選挙の前週のS&P500のパターンを確認しておこう。株価は平均で1.00%上昇しているが、上昇確立は67%だが、下げたのは今回を含め8回ある。特に今回は5.64%の下落となっており、過去最大の下げである。一方、その翌週、つまり米大統領選挙の当該週の月曜日と火曜日を併せた2日間の騰落率は平均1.06%上昇で、上昇確率は87%である。つまり、11/2・11/3は上げやすいということになる。

また、前週に下げた年の過去7回のうち、当該週も下げた年は1度だけであり、それは1988年のブッシュ氏のときである。前回2016年のときも、前週は1.94%下落したが、翌週の月曜日と火曜日で2.61%上昇している。

このように考えると、今年は当初、バイデン氏の勝利予想が強まると株価が下落していたが、途中からバイデン氏勝利の場合には、財政拡大を材料に買いとなり、直近はバイデン氏の勝利の確率が低下したことが売り材料になっているようにみえる。

しかし、本来は「トランプ勝利で買い」であり、バイデン氏の敗北は視野に入れる必要はないと考えている。いずれにしても、勝敗はすぐにはわからない可能性が高そうである。

Next: 10月末の下げはやりすぎだった?来年に向けた仕込みのチャンス到来か

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