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セガ撤退でゲーセン文化が死滅?消費税も一因 80~90s黄金期を懐かしむ声続々 スペハリ、アフターバーナー、バーチャ、千本パンチ、台湾ステップよ永遠に…

セガサミーホールディングス<6460>がゲームセンター運営から撤退するとの報道がなされ、大きな波紋を呼んでいる。

11月4日に発表されたIRリリースによると、主に娯楽施設を運営する連結子会社の株式会社セガエンタテインメント株式の85.1%を、株式会社セガグループから遊技機器関連の株式会社ジェンダへと譲渡。セガエンタテインメントはセガサミーの連結子会社から外れることになるとのこと。

グループ事業の多くが新型コロナの影響を受けており、市場変化に適応できる組織体制の再構築と固定費を中心としたコストの削減を模索していたというセガサミー。なかでもアミューズメント施設分野は、施設稼働が著しく低下するなど特に大きな打撃を受けており、このことが今回発表された株式譲渡に繋がった模様だ。

さらに、コロナ禍がなくともゲームセンター経営は年々厳しくなっていたとの見方がある。その要因として挙げられるのが「消費税」の存在だ。今やジュースの自動販売機は120円以上が普通になっているが、ゲームセンターではアーケードゲームを中心に1ゲーム100円が主流のまま。内税としてお店側が負担するしかなく、増税分だけ売上が減っていると言えるだろう。

アーケードゲーム開発の規模も縮小か

「セガ、ゲームセンター運営から撤退」という報道を受け、ネット上のゲームファンからは様々な懸念や憶測が飛び交った。

まず多くあがったのが、「セガはアーケードゲームの開発からも撤退するの?」という懸念だ。ただ、今回発表されたリリースを見るに、今回の株式譲渡でセガの連結子会社から離れるのは、あくまでもゲームセンター運営に携わる会社のみ。アーケードゲーム開発の今後に関しては特に記載はないため、当面は現状のまま続けられるものとみられる。

ただ、今回の株式譲渡を伝えた日本経済新聞の記事によると、「今後開発の人員を家庭用ゲーム機事業などに配置転換することも検討」とあり、開発規模の縮小は避けられない情勢のようだ。

もうひとつあがっているのが、「ゲームセンターからセガの名前が消える?」といった声。これに関しても、先述の日経の記事によると、「全国に約200店ある店舗の名称は原則として継続」とあり、セガの名が冠されたゲームセンターが一気になくなるということはなさそう。ただ、運営に関してはセガの手から離れるため、他社のアーケードが増えるなど店内のラインナップには変化が生じるのではという指摘もあった。

在りし日の「セガのゲーセン」を振り返る声

長らく続けてきたアミューズメント施設運営から撤退することになったセガ。アーケードゲーム自体から撤退するわけではないものの、今回の出来事をひとつの節目として捉えている人は多いようで、在りし日のゲームセンター黄金時代を振り返る声も、SNS上では多く見られる。

セガのゲームセンターといわれて、多くの人が思い浮かべていたのが、かつては全国各地に点在していた「ハイテクセガ」の店舗。

実は、今回のニュースが持ち上がる以前からその店舗数は減り続けているようで、セガエンタテインメントのサイトを見てみると現段階で「ハイテクセガ」や「ハイテクランドセガ」という名を冠する店舗は、すでに全国に10店舗もない。報道によると運営元が変わっても、従来からの店舗名は当面変わらないということだが、それもいずれは……と懐かしつつも惜しむ声があがっていた。

くわえて、指摘する人が多かったのが「AM2研は無事か?」という声だ。

AM2研といえば、1980年代にセガ内の開発分室として発足し、若き日のゲームクリエイター・鈴木裕氏らも在籍。80年代後半には大型筐体ゲームとして「スペースハリアー」「アウトラン」「アフターバーナーII」など、また90年代には3Dポリゴンを駆使したレーシングゲーム「デイトナUSA」、同じくガンシューティングの「バーチャコップ」など数々のヒット作を世に放ち、80年代後半から90年代後半にかけてのセガの黄金期を支えてきた。これらのゲームは現在も世界中のファンに愛され続けており、きょう11月5日にも自宅用の「アウトラン」復刻筐体が今年12月に発売されるというニュースが出てゲーマーたちの話題となっていた。

そんなAM2研の作品で忘れてはならないのが、一世を風靡した格闘系ゲーム「バーチャファイターシリーズ」。今年の9月にはバーチャファイターがeスポーツで復活するとのアナウンスがあったばかりだが、今回のニュースを受けてバーチャファイターの今後はどうなるのかという声も少なからずあがっている。

新型コロナの感染拡大によって、今までにない苦境に陥るゲームセンターやアーケードゲーム界隈。50年以上の歴史を持つ大衆文化のひとつが、今回の出来事によって終焉へと本格的に向かってしまわないかと、気を病む方は想像以上に多いようだ。

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