GDPマイナス幅以上の苛酷な「現実」
日本のGDPがマイナスであったのは、海外では驚きをもって見られました。しかし、現実が現実だけに、全くあたりまえです。そして、GDPがマイナスといっても、大企業は空前の利益を計上しています。
つまり、国民生活の苦境と、大企業の利益を足すと、GDPがマイナスということです。
そうすると、大企業の利益以外を見ますと、よりマイナスは大きいことになります。ですから、国民生活の苦境は、GDPのマイナス幅よりさらに大きいわけです。
実感は、日経平均1万1000円〜1万2000円
国民生活の感覚でみますと、日経平均は1万1000円〜1万2000円ぐらい、為替は1ドル=87円とか88円ぐらいの感覚があります。
現在の日経平均や為替レートについて、株安とか円高ということをおっしゃる方もいらっしゃいます。ですが、私は全然、株安・円高とは思いません。いまでも十分、株価は高く、円安だと思います。
そもそも、為替投機でなければ、1ドル=110円ぐらいで、輸出企業は十分やっていけるはずです。これぐらいのレートですべて予約してしまって、本業に集中するというのも賢明だと思います。
ここからバブルに向かう3つの条件
現状はまさに「70年に一度の大恐慌」で厳しいですが、そろそろ転換の時期に来ています。マイナス金利も導入されました(気がかりなのは、条件や規制がついていることですが…)。
このため、日本は「バブル景気」に向かうと見ています。バブル景気というのは、起こらないと思えるときに起こります。原油価格が低く、内憂外患の問題があって、金融が緩和的であることが条件です。
このシナリオが変更されるのは、次の2つのパターンです。
- FRBが、利上げをやめて利下げに転じる
- 第三次世界大戦が勃発
過去の歴史をみましても、コンドラチェフ・サイクルが転換してすぐの時期は、まだ不安定で、戦乱が起きやすいです。注意は必要でしょう。
ということで、今年の年初から春にかけてのクラッシュは、そろそろ終わると見ています。
なぜなら、FRBの利上げ途中のクラッシュは、景気サイクルとは逆方向で、長時間(長期間)続きにくいからです。3月10日危機説とかも流れていましたが、結局、ポジショントークだったように見えます。
現状は厳しいですが、そろそろ景気の上昇が始まると見ています。
『ニューヨーク1本勝負、きょうのニュースはコレ!』(2016年4月10日号)より一部抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による
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