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サラリーマンは税金で損してる。納税を会社任せにする代償とは=俣野成敏

サラリーマン以外は税金を自分で決められる

たとえば自営業の人は、税金をある程度、自分で決めることができます。なぜかというと、彼らは経費を自分で決められるからです(それが通るかどうかは別ですが)。

経費というのは、事業をしていくうえで必要な出費のことです。原材料費はもちろんのこと、機械設備や事務所、店舗などの家賃、通信費、交通費、人件費等々、商売のために使っているお金は、すべて経費になります。

自営業者の税金は、売上から経費を引いた残額にかかるため、たとえ売上が多くても、経費がかかっていれば、税金はその分だけ安くなります。

しかしサラリーマンの場合は、経費はあらかじめ決められてしまっています。それが給与所得控除です。

だから事実上、サラリーマンは自分では税金をコントロールすることができないのです。

実際は、サラリーマンも給与所得控除以外に、自分で申告することで、経費として付けることが可能な項目があります。それが「特定支出控除」です。しかし、これを使うためには、会社から費用の1つ1つに対して証明をもらわなくてはいけません。他にもいろいろな条件があるため、実際にこの制度を使っている人は、少数にとどまっているのが実情です。
※参考:給与所得者の特定支出控除 – 国税庁

3月に税務署の前に行列ができるのは「良いことがあるから」

それでは一体、どうしたらサラリーマンという立場を活かしながら、今ある“枠の中”から抜け出せるのでしょうか?

方法の1つとしては、「給与以外の所得をつくること」です。会社が把握できない給与以外の所得を増やして、自分で確定申告をすること。要は、副業をすることです。

副業によって事業所得を得て、給与所得と損益通算をする。これが、サラリーマンが持つ最大の武器なのです。

サラリーマンが副業を始めて、それが事業と認められれば、事業で発生した損失を、給与所得を含めた総所得金額から控除することが認められます。これが損益通算です。ただし、このメリットを活かすためには、自分で確定申告(税金の申告)をすることが必須となります。

これを聞いて、「副業をすると自分で税金を計算するの!?」と慌てた人もいるかもしれません。でも現在は、個人事業主向けに格安で税務処理を請け負ってくれるところもたくさんありますから、ご心配なく(取材した中川さんの会社も、そのうちの1社です)。

3月15日になると、毎年、税務署の前に大行列ができていますよね?あれは、確定申告をするための行列です。

通常、人が行列に並ぶのは、流行りのラーメン屋さんとか、ディズニーランドのアトラクションとか、自分にとって良いことがあるからです。当然、税務署の前に行列ができるのだって、良いことがあるからに決まっています。

そう、多くの人は税還付を受けるために並んでいるのです。

Next: サラリーマンの武器は副業収入との損益通算

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