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「社長パワハラ罵声」流出でCasa株価急落、家賃保証の闇深さにドン引き

東証一部上場企業である株式会社Casa<7196>の社長・宮地正剛氏が、社員に向かってパワハラ罵声を繰り返していたと文春オンラインが伝え、その内容のヒドさにネット上が騒然としている。

文春オンラインは、今回の報道の根拠となる「罵声音声」も公開。その内容は「お前ぶち殺すぞ」「電車に飛び込まんかい」などなど、とても聞くに堪えないもので、もしもこれが本当だとすればパワハラであることはもちろんのこと恐喝や強要、あるいは脅迫といった罪にも問われてもおかしくはなさそうだ。この報道を受けてきょう12月3日、Casaの株価は急落している。

Casa<7196> 15分足(SBI証券提供)

Casa<7196> 15分足(SBI証券提供)

罵声を浴びせられたのは、今年の半ばまでCasaの営業部門のトップとして取締役を務めていた50代の男性。この男性によると、「宮地社長が社員に暴言を吐くのは日常茶飯事」だったとのことで、退職の際に自身の弁護士に相談するために、宮地氏とのやり取りを録音しはじめたという。

ちなみに「パワハラではないか?」との記者の問い掛けに対し、宮地氏は「多分、そういうことないと思いますよ」と発言。続けて「お話しすることはないですね。申し訳ないですけど」と、あっさり電話を切ったという。

「元リプラスか」という謎の納得感

今回取沙汰されている株式会社Casaは、2008年の設立。かつて存在した家賃債務保証会社の株式会社リプラスが倒産した後に、社員だった宮地氏が引き継いで事業を存続させたという経緯を持つ企業だ。

そのリプラスだが、2002年に設立された後まもなくに、賃貸住宅の滞納家賃保証事業を他社から買収したことで、その事業規模を一気に拡大。会社設立からわずか2年で東証マザーズへの上場を果たすなど、当時は急成長企業として注目を集めていたことを、お覚えの方もいらっしゃるかもしれない。

ところがリーマンショックの発生した2008年になると、不動産オーナーに対して送金の遅延が発生するようになり、同年の9月にはあえなく倒産の憂き目に。倒産の理由として、賃借人からの保証料を不動産投資に流用して焦げ付いてしまったのではという噂もあり、不動産業界のなかには倒産当時のことを悪しき苦い思い出として覚えている方も結構多いようだ。

そんな背景もあってか、今回のパワハラ罵声騒動に関しても、起きたのが元リプラスの後継企業ということが分かると、「所詮貸金業者リプラスの残党」「賃貸保証の会社なんてどこもこんなもん」といった反応が続出。“謎の納得感”をもって、今回の騒動が受け止められているようだ。

執行役員のフォロー発言にも呆れの声が

今回の記事だがさらに読み進めていくと、「罵声音声」を録音していた男性が宮地氏と対峙した際に、男性が宮地氏の元に駆け寄って胸倉を掴んだという記述があり、その点に関しては「どっちもどっちじゃないか」といった声も。

一般的なパワハラ騒動なら、被害者に対して「可哀そう」といった声のひとつもあがるものだが、先の「元リプラスだから」という納得感も含めて、今回はなんとも同情する気持ちが湧きにくいというか、定番的なパワハラ騒動の構図とは全くフィットしていない印象だ。

いっぽう今回の記事には、流出した「罵声音声」についてCasaの執行役員以下お歴々に取材をする場面が描かれているが、そこで執行役員が「我々はコンプライアンス上、問題がないと思っています」と発言したことに関しても、半ば呆れの声があがっている。

今回の記事が出たことに対して、Casaは2日に「一部報道について」というリリースを発表し、「本件の事実関係につきまして調査を開始いたしました」とコメントしている。とはいえ、執行役員が「コンプライアンス上問題ない」と断言している以上、その前提で調査をしたところで何がどうにかなるのかという疑問も。今後どのような形で決着となるのか、注目が集まるところだ。

Next: 倒産したリプラス元社長の現在は?

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