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スシロー、今度は「マグロ偽装」疑惑で株価下落。原因はお客さま相談窓口の認識違いと釈明も「キハダじゃなくメバチとイキったのが悪い」との声も

回転寿司チェーンの「スシロー」が、寿司に使用しているマグロの種類に関して、テレビ番組でアピールしていた種類とは異なるものを使っているのではないかという、いわゆる「マグロ偽装」疑惑が浮上する事態となっている。

デイリー新潮が報じたところによると、スシローは今年6月に放映されたテレビ番組にて、一般的な回転寿司店ではキハダマグロを使用しているところが多いのに対し、同店では味が濃厚でキハダより仕入れ値が約1.2倍高いというメバチマグロのみを使用していると、アピールしていたという。

ところが、回転寿司業界に詳しい関係者が鉄火巻を食べてみたところ、味が薄いように感じたといい、スシローのお客さま相談窓口にメールで問い合わせたところ、鉄火巻にはメバチマグロが使用されている、との回答が。それでも納得できなかった関係者は、関西地方の5店舗の握り寿司に使われているマグロと鉄火巻に使われているマグロをDNA調査したところ、ある1店舗で使われている鉄火巻のマグロが、キハダマグロだと判明したのだという。

その後、スシローの運営会社に問い合わせたところ、握り寿司に使われているのは間違いなくメバチマグロだが、鉄火巻に関しては社内確認の結果、70%がキハダマグロ、30%がメバチマグロを使用していることが分かったと釈明したという。

スシローは「偽装」はないと報道内容を否定

記事内では、バナメイエビを芝エビと表示するなどの食品偽装を行い、社長が辞任するに至った2013年の阪急阪神ホテルズを巡る騒動を引き合いに、今回の件もそれと同様の悪質さであると断じているデイリー新潮。

この報道に対して、スシローの運営会社である「あきんどスシロー」は31日、公式サイト上にてリリースを発表

それによると、「鉄火巻」などに関してはキハダマグロやメバチマグロのほか、商品によってはインドマグロや本マグロなども使用しているそうだが、お客さま相談窓口の担当者は「鉄火巻はメバチマグロのみを使用」という誤った認識を持っており、それをそのまま伝えてしまったというのだ。

スシロー側は誤った情報を伝えたことをお詫びするいっぽうで、デイリー新潮が伝えたような「悪意」や「悪質」といった意図や、「偽装」といった行為はないことを強調しているものの、このところは不祥事の発覚が相次いでいることもあり、SNS上の反応を見ても同社に対して好意的な意見はほとんど見られないといった状況だ。

振り返れば、今年6月に消費者庁から「おとり広告」を指摘され、再発防止を求める措置命令が出されたのを皮切りに、その直後には「ビール半額」と店内掲出しておきながら、実際は定価で販売していたことも発覚。また、そのビール半額キャンペーンにおいても、一部の店舗で再び品切れを起こすなど、利用者の期待を裏切るような出来事が相次いで起こしているスシロー。

【関連】スシロー「ビール半額」の不祥事が響き株価も半額に。競合チェーンは売上復調も“ひとり負け”状態。「ネタ小さい」ステルス値上げを疑う声も

そのことも影響して、今月頭には親会社である株式会社FOOD & LIFE COMPANIESの株価が、年始と比べてだいたい半値近くまで下がってしまったことが話題となっていたが、今日31日の株価も年初来安値を更新するなど、さらなる株価の下降を招く格好に。投資家らの間からは、今年に入ってからのチャートが、実にきれいな右肩下がりを辿っているとも話題になっているところだ。

スシローの客層でメバチとキハダの違いに気付くのは少数?

いっぽうで、今回の件でスシロー側が「お客さま相談窓口の担当者が誤った認識を持っていた」ことを原因としたことに対しては、「現場への責任の押し付け」といった批判も。

確かに「おとり広告」を指摘された件や、「ビール半額」の一連の騒動にしても、上層部の計画や意図に対して、現場レベルが対応し切れなかったゆえに起こったという一面も。近年は海外進出も含めて、積極的な出店を進めたことで、並み居る競合チェーンを跳ね除けて業界トップの座に君臨するスシローだが、そんな組織の急激な巨大化にともなう弊害が如実に表れているとも言えそうである。

いっぽうで今回の件に関しては、ひっくるめて「マグロ」といって出しとけば問題にならなかったのに……といった声も。特に安さが求められる回転寿司業界においては、代替魚・代用魚の類が用いられているのは公然の事実であるし、スシローに行くような客層で、メバチとキハダの違いに気付く者はごく一部だろうといった見方だ。

要は、テレビ番組において「ウチはキハダじゃなくメバチを使用」と、妙なイキリをしまったことが元凶ではないかというわけだが、最近は弱り目に祟り目といったスシロー側としては、まさか客のために良かれと思った差別化までもが、株価下落を招くリスクの要因となるとはと、大いに頭を抱えているところだろう。

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