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【5月米雇用統計】上がれば売りの戦略、利下げが織り込まれてドルは買いにくい局面=ゆきママ

大変動というほどではないですが、為替相場は久々に上下に慌ただしく動いています。そんな中、今日は月に一度のお祭り、雇用統計です。相場の現状をしっかり確認しつつ、展望、トレード戦略を考えていきたいと思います。(『ゆきママのブログでは書けないFXレポート(無料板)』『お値段以上!?ゆきママの「週刊為替予測レポート」(有料板)』FXトレーダー/ブロガー・ゆきママ)

想定レンジは1ドル=107.80~109.30円、今夜のトレード戦略は?

利下げが織り込まれ、ドルが買いにくい相場に

ここ1~2週間の為替相場における大きな変化とは、やはりドルが買いにくくなったということでしょう。

端的に言えば、利下げが織り込まれて米長期金利(10年債利回り)が低下し、その影響でドル安という流れになっています。

背景には、米中貿易戦争への懸念やメキシコへの関税、さらには米経済指標の停滞・悪化などが挙げられます。

これらを嫌気して、株が売られて国債が買われ、結果的に金利が低下(国債の価格は上昇)しました。

また、FRBメンバーの何人かも利下げに言及するなど、ここ最近は利下げ機運が高まっています。

2019年末のFF金利見通し(確率)

2019年末のFF金利見通し(確率)

上記はCME(シカゴ・マーカンタイル取引所)グループが金利先物市場の動向に基づいて算出した、今現在の市場が想定している2019年末のFF金利(フェデラルファンドレート、政策金利)の水準です。

1回の利下げで25bps(ベーシスポイント)引き下げられると考えると、2回の利下げが33.0%、3回の利下げが32.8%も織り込まれており、市場は2~3回の利下げが行われると想定しています。

これではドルが買えないのも納得というか、かなり前のめりというか行き過ぎた折り込みであるとは思いますが、当局者も利下げに言及していることを踏まえれば、なかなかドルが買えない相場になりつつあるのが現実かと思います。

先行指標はADP雇用報告の9年ぶりの低水準が気がかり

それでは、雇用統計の先行指標を確認していきましょう。今回は民間の企業の発表するADP雇用報告の大幅な下振れが目立ちます。9年ぶりの低水準でした。

先行指標の結果(青は改善・赤は悪化、数値はいずれも速報値)

先行指標の結果(青は改善・赤は悪化、数値はいずれも速報値)

ISMは改善していますし、新規失業保険申請件数を見ても、そこまで悪化しているとは思えません。それだけに、ADPによる雇用者の大幅減は嫌でも目につきます。

4月分が強めだったことを踏まえると反動減とも考えられますし、トレンドで見れば一時的と考えることもできます。

しかしながら、今日の雇用統計の非農業部門雇用者数も大きく予想を下回るようだと、米国の労働市場、ひいては企業活動への懸念は強まることになりますから、要注意でしょう。

そして、率直な感想として5月の米経済指標はやや弱めの数字も並んでおり、4月と比べると停滞感は否めませんから、予想を下回る可能性が高いのかなと感じています。

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