AIに仕事を奪われた元ゴールドマンの株トレーダー、いまは何をしている?=矢口新

かつて米証券会社大手ゴールドマン・サックスには500名のトレーダーが在籍していたが、AIトレードの普及で今では3名になっている。彼らはどこに流れたのか…。(『相場はあなたの夢をかなえる ―有料版―』矢口新)

※本記事は、矢口新氏のメルマガ『相場はあなたの夢をかなえる ―有料版―』2018年5月2日号の一部抜粋です。ご興味を持たれた方はぜひこの機会に今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。

プロフィール:矢口新(やぐちあらた)
1954年和歌山県新宮市生まれ。早稲田大学中退、豪州メルボルン大学卒業。アストリー&ピアス(東京)、野村證券(東京・ニューヨーク)、ソロモン・ブラザーズ(東京)、スイス・ユニオン銀行(東京)、ノムラ・バンク・インターナショナル(ロンドン)にて為替・債券ディーラー、機関投資家セールスとして活躍。現役プロディーラー座右の書として支持され続けるベストセラー『実践・生き残りのディーリング』など著書多数。

500人の株トレーダーが今ではたったの3人に。彼らの行く末は…

米大手証券会社の現状

100年を超える長い期間を通じて、米国の大手証券とは、ゴールドマンサックス、ソロモン、リーマン、モルガンスタンレー、JPモルガンなどという顔ぶれだった。

それら証券会社にとって「株式」は、債券と並ぶ2大取扱商品だ。

大手のうち、ソロモン、リーマンは既にない。残る最大手のゴールドマンは、下記のような有様だ。

ゴールドマンのデービッド・ソロモン社長は、米カリフォルニア州ビバリーヒルズで4月30日に開かれたミルケン研究所のグローバルコンファレンスで、「株式トレーディングの場合、われわれは15~20年前にはマーケットメーク(値付け業務)で500人を抱えていたが、今では3人だ」と語った。

ソロモン社長は、トレーディングビジネスにより多くのテクノロジーが導入された結果、顧客にとって効率が改善される一方、新たなリスクがもたらされたと指摘。

ゴールドマンにとって、それは人員構成の変化につながり、今では9000人のエンジニアを雇用し、規制を専門とする行員の数も増えたと説明した。

出典:ゴールドマン株式デスクに生身のトレーダー3人-昔は500人 – Bloomberg(2018年5月1日配信)

削減されたトレーダーたちは、いま何をしているのか?

マーケットメークとは、顧客相手のビジネスなので、顧客のトレーディング・ツールが充実した今では、生身の人間が行う必要がなくなったということなのだろう。

プロップと呼ばれる、会社自己資金の運用トレーダーたちは、成績による淘汰があるにせよ、それなりの人員を保っていると思われる。

では、削減されたマーケットメーカーや、淘汰されたプロップトレーダーたちは、今、何をしているのだろうか?

少なからずの人員がヘッジファンド業界に流れた。そのヘッジファンドが苦戦している。

Next: 市場平均を常に下回る運用成績。ヘッジファンドに何が起きた?

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