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IT化遅れで把握できない?困窮者を無視する熊谷内閣官房参与に非難殺到

テレビ朝日系の報道番組「報道ステーション」に出演した、内閣官房参与で大和総研のチーフエコノミスト・熊谷亮丸氏の発言内容が酷すぎると、放映直後から大きな反響を呼ぶ事態となっている。

熊谷氏が出演したのは12月21日放送分で、出演時間は10分程度。コロナ禍の不況にあえぐ日本経済が今後どうすれば回復するのかというのがテーマで、21日に閣議決定された来年度予算案と今年度第3次補正予算案と合わせた、いわゆる“15カ月予算”に関する是非や、来年以降の日本経済のポイントなどを、熊谷氏に問う形で進められた。

ちなみにこの熊谷氏だが、大和総研での正式な肩書は専務取締役調査本部長チーフエコノミスト。そのいっぽうで、政府税制調査会特別委員、特定複合観光施設区域整備推進会議委員、総務省「情報通信審議会」委員などといった、政府の様々な諮問機関のメンバーにも名を連ねている。

さらに今年10月からは、総理大臣のいわば“相談役”である内閣官房参与(経済・金融)にも就任。今回の番組内でも、菅義偉首相と実際にどのようなやり取りをするのかを披露していた。

菅内閣が進めるIT化とは「資産把握」と同義か?

そんな熊谷氏による今回の出演に関して、ネットでは様々な角度から“ツッコミ”をされている状況だが、特に批判の声が多かったのが、「生活困窮者への支援スピードが日本は遅いのでは?」という内容の問いに対しての、熊谷氏による以下のような発言だ。

IT化が進んでいればスピーディーにできますが、日本は諸外国の中で圧倒的に給付金のスピードが遅い。IT化が進んでいないから、国民の所得のリアルタイムで把握できない。そのため、本当に困っている人が特定できない。

出典:日本経済どうすれば回復?熊谷内閣官房参与に聞く – テレ朝news(2020年12月21日配信)

この発言に対して、多数見られたのが「生活困窮者の把握とIT化は無関係では?」という反応だ。確かに、ネットのない時代から生活困窮者への生活保護などの支援は行っていたわけで、なぜそこに“IT化”が理由として出てくるのか、なんとも唐突な感もある発言。それだけにネットからは「議論のすり替え甚だしい」「詳細に把握したければ、地公体に照会すればいい話」といった声が多くあがっていた。

また、仮にIT化やマイナンバーのひも付けなどで、個々人の経済状況の把握ができたとしても、生活困窮者を救う施策には活用されないだろうといった、諦めに近いような声も。くわえて、「政治の拙さをITの遅れのせいにするな」といった、政府の怠慢ぶりを批判する意見も多く聞かれた。

そのいっぽうで一部からあがっていたのが、菅内閣が進めるIT化の目的が、やはり「国民監視」と「資産把握」にあることがハッキリしたという指摘。以前からまことしやかに噂されていた話ではあるが、熊谷氏による「IT化が進んでいないから、国民の所得のリアルタイムで把握できない」という発言で、奇しくもその狙いが透けて見えてしまった格好だ。

最後の「質問スルー」にも失望の声

上記の“問題発言”以降もトークは進み、最後は今回の予算案で設定された5兆円という莫大な額の予備費に関しての話に。そこでの熊谷氏による発言内容も、視聴者の間で大いに取沙汰される形となった。

というのも、番組コメンテーターで共同通信の編集委員を務める太田昌克氏から最後に投げかけられた、「持続化給付金や家賃支援の給付金がなくなると、にっちもさっちもいかなくなる生活困窮者に対して、予備費の5兆円のなかから給付する術はないのか?」といった問い掛けに対し、熊谷氏は「それは気持ちとしてやりたいところですが」と前置きしつつ、その後はコロナ対応の医師や看護婦に賃金を上乗せする件や、「コロナは何が起きるか分からない。先のためにフレキシブルに使えるお金は残しておきたい。バランスの問題」と話すにとどまり、質問のキモである「予備費からの支援金給付の有無」に関しては、あっさりとスルーしたのだ。
※参考:日本経済どうすれば回復?熊谷内閣官房参与に聞く – テレ朝news(2020年12月21日配信)

熊谷氏によるこの最後の発言に対して、ネット上からは「まったく質問にこたえていない」という怒りの声が。さらに「本当に生活に困っている方たちの声は無視ですか?」「困窮者の事なんかまるで他人事」といった、多くの失望の声があがる事態となった。

これら以外にも、「GoToトラベルによって感染が拡大したというエビデンスがないと思っています」という発言もするなど、わずか10分ほどの出演にも関わらず、大きな波紋を巻き起こす結果となった熊谷氏。内閣官房参与として菅首相にアドバイスする人物だけあって、その立場はほぼ政府のスポークスマン的なもので、発言内容もほぼ政府の意向であるという受け止めをする視聴者は多い。それだけに今回浮き彫りになった「IT化に関する真の思惑」、さらに「本当に困っている方々への緊急的支援に消極的な姿勢」に対し、政府・政権への批判はさらに高まりそうだ。

Next: 「庶民の味方というより政府の味方と見えてしまう」

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