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ビットコインが乱高下するワケ。投機筋が大量参入、個人がカモられる危険な時間帯に=今市太郎

プロが参入する相場には必ず空売りが出る

しかし、今回の上昇相場はそれなりのファンド勢も参入していますから、彼らヘッジファンドお得意の売りからの市場エントリーもそれなりに多かった様子。いったん売りが出て価格が下がり始めると、多くの個人投資家が利確を始めることから、価格はどんどん下がる傾向にあり、これが何度も示現することになります。これが大きなボラティリティを引き起こす第1番目の要因となるわけです。

要因はもう1つ。レバレッジをかけている関係上、ストップロスを置かずに相場が下落しはじめると多くの個人投資家がほぼ同様の価格水準で強制ロスカットを食らうことになり、これが一時的に大量に発生しますと、今回のように思わぬ大きな下落を引き起こすこともわかってきています。

また、仮想通貨FXではなく現物を売買している向きも、いったん価格が下がり始めますと毎回売り場に殺到するという1987年10月のブラックマンデーのような状況を繰り返すことになります。そのため、いったん売りが加速すると、いとも簡単に20%程度の下落を示現してしまうのです。

ただ、下落は絶好の押し目として買い向かう個人投資家も相当数いることから、またいつのまにやら価格が戻り上昇するという過程を繰り返すことになります。

相変わらずフェアバリューははっきりしない

ビットコインの場合、いつも問題になるのが「フェアバリューはいったいいくらなのか」ということです。

今のところ、マイニングにかかるコストがフェアバリューの最低レベルであるとする説が一般的。しかし、法定通貨はそんなものを価格の材料にはしていませんから、より実需の需給が価格を支える要素になるのですが、ビットコインには今のところほとんど実需の決済需要はありませんから、ややもすればマイニングコストを下回る可能性は高く、時と場合によっては無価値化する危険性すらあります。ですから、一定の高値で買いから参入するというのは、かなり危険な取り引きであることを改めて感じさせられます。

投機筋はほかの商品の利回りと比較して資金を移動

ビットコインというのは金(ゴールド)と同様に、別に持っていても金利が付くわけではありません。それどころか、仮想通貨FXで保有している場合、毎日のようにスワップコストとして保有にカネをとられることになります。

ですから、そもそも短期にキャピタルゲインがない限りは、よほど安く購入して高値までホールドするといった手法以外は、なかなか利益が上げられないのが実情です。

またファンド勢はほかの金融商品の利回りや利益と常に比較していますから、債券金利が上昇したりしますと、ビットコインを手放して資金を移動させるといった個人投資家にはないアクティビティを行うこともあり、相場に影響を与える材料はかなり多岐に渡る点も足元の相場のボラティリティをつくる原因になっているものと思われます。

Next: 株トレーダーがビットコインを買っている?ここからの急落に要注意

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