オリジナルと証明できるし、その権利も売れる
どうせインターネットで作品を発表するのであれば、自分のオリジナルであることが証明できる方法で発表した方がいいと思わないだろうか。自分のオリジナルであると証明しながら、かつその権利を自分が売れれば面白いと思わないだろうか。
今、欧米で「NFT」を介した作品の売買が広がっていこうとしており、それが盛り上がっている。新しいイノベーションなので、これが定着するのかどうかは未知な部分があるのだが、もし定着したらインターネット史を変える現象になる可能性がある。
今までコピーが簡単すぎて自分のものであると証明するのが難しかったデジタル表現物が、いよいよ「絶対的に証明できるようになる」からだ。
具体的にどんな風に始まっているのか。たとえば、こちらのサイトを見て欲しい。「ニフティ・ゲートウェイ」のサイトだ。
・ニフティ・ゲートウェイ(niftygateway.com)
https://niftygateway.com/marketplace
こうしたサイトは「NFTマーケット」と呼ばれるのだが、こうしたところで自分の表現物を売ることでオリジナルであることの証明を手に入れることができて、使用権を売ることが可能になる。
ニフティ・ゲートウェイは一例で、欧米では他にも「OpenSea」「superrare」というサイトもあり、今後もどんどん増えていくだろう。NFTが軌道に乗れば、いずれ世界最大の「NFTマーケット」も今後生まれていくはずだ。
日本でも仮想通貨を扱っている企業がNFTマーケットをどんどん立ち上げて作品を集めるようになっていくだろう。
場合によってこれはインターネットの転換点にもなる可能性がある
「NFT」はコピーができなくする技術でもないし、盗まれるのを防止する技術でもない。しかし、オリジナルを証明できて、なおかつ自分がそれを売ることができる。
剽窃者が仮に作品を盗んだとしても、「NFT」によってオリジナルを主張することができるようになる。
この「オリジナルを証明できる」というのは、作品が資産となるという意味でもある。有名なデジタル作品を「所有」できるので、それが価値あるものである限り、「NFT」によって資産として機能するのである。
さらに所有者は使用権を売ることができて、その権利が売却された時に数%が入る設定にしておけば、取引があるたびに数%が転がり込んでくることにある。高値で転売されればされるほど所有権を持った人間は儲かる。
この技術はゲーム用のアイテムを証明して売ることから発生したものなのだが、これをタグ化するとデジタル作品だけでなくリアルな作品についてもタグでオリジナルを管理できるようにもなるわけで、あらゆる用途が広がるだろう。
フォーブス(Forbes)ではこれを会員権に応用して、NFTで会員権を買った読者には広告を表示しないバージョンを見せるような仕組みをすでに構築している。「会員権を売る」という使い方もできるのだ。