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1000万人がアルコール依存症か予備軍。「宅飲み」2つの依存で人間関係も信用も金も失う=鈴木傾城

現在、日本ではアルコール依存者は107万人近くおり、問題飲酒者やアルコール依存の疑いの人は約885万人いる。つまり、1,000万人近い人はアルコール依存と無縁ではない。人間関係も信用も金も、すべてを捨てても止められない沼がある。(『鈴木傾城の「ダークネス」メルマガ編』)

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プロフィール:鈴木傾城(すずき けいせい)
作家、アルファブロガー。政治・経済分野に精通し、様々な事件や事象を取りあげるブログ「ダークネス」、アジアの闇をテーマにしたブログ「ブラックアジア」、主にアメリカ株式を中心に投資全般を扱ったブログ「フルインベスト」を運営している。

日本では、1,000万人近い人がアルコール依存と無縁ではない

私が知り合った女性の少なからずはアルコール依存だった。

タイ・バンコクの歓楽街はゴーゴーバーにしろオープンバーにしろ、いずれも客の男と一緒に酒を飲むのが彼女たちの仕事だったわけで、毎日のようにアルコールに接しているとどうしても依存症になりやすい。

ほとんどの女性はアルコールの多飲が身体に悪いと知っているので、1日に1杯か2杯だけビールを飲んで、あとはコーラでごまかすやり方をしているのだが、中には豪快な男に釣られたり、「飲め」というのを断れなかったりして大量飲酒してフラフラになっている女性の姿も見る。

もちろん、バーで働く女性の誰もが依存症に落ちていくわけではない。雰囲気に飲まれない女性もいる。最初からアルコールを受け付けない女性もいる。親兄弟の誰かがアルコール依存で、それを見てきているので「自分は絶対に飲まない」と説明する女性もいる。

しかし、やはり夜の歓楽街の女性の少なからずは、飲酒の習慣を繰り返してアルコール依存「予備軍」となり、いつしか本格的なアルコール依存へと落ちていく。日本でもキャバクラに勤める女性がアルコール依存に落ちやすいのは言うまでもない。

女性は男性よりもアルコール依存に落ちやすい。身体が小さいので同じ量を飲んでもアルコールが回りやすいというのもあれば、肝臓が小さくてアルコール分解が遅いこともあって酒害を受けやすいというのもある。

ただ、女性は節度があって依存症に落ちていく人は男性と比べると少ない。男性の方は、飲む機会が多い上に節度もなく飲み、しかも耐性のある人も多いのでアルコール依存に落ちる人は多い。

現在、日本ではアルコール依存者は107万人近くおり、問題飲酒者やアルコール依存の疑いの人は約885万人いる。

つまり、1,000万人近い人はアルコール依存と無縁ではない。

依存には2種類ある

日本はアルコールが野放しだ。コマーシャルも大量に流れる。そして、アルコールは社会から広く容認されている。アルコール依存は決して珍しい病気ではない。気をつけないと誰もがかかってしまうものだ。

しかし、それなのに充分に理解されているとは言いがたい。依存に落ちたことがない人は、たとえばアルコール依存症やギャンブル依存症の人たちを見ると、「やめようとしないからそうなる。意思が弱いのだ」と思う。

また本人も何度もやめる決意をするのだが、また戻ってしまうので「自分は意思が弱い」と自暴自棄になる。こういった人たちが確かにいる。

依存には2つの種類がある。「精神依存」と「身体依存」だ。

精神依存とは、それを止めると激しい不安や不快感や喪失感を覚えて居ても立ってもいられなくなって、目の前の仕事はおろか、思考能力すらも失ってしまう状態になるものだ。

身体依存とは、それを止めると激しい禁断症状が身体に現れ、手が震えて止まらなくなったり、譫妄《せんもう》が起きたり、ひどい時は意識を失ったり、全身痙攣を起こしたりするものだ。

精神依存も身体依存も、一度そこに落ちると意思が強い弱いの問題ではなくなる。意思が消失して、渇望感だけがすべてになってしまうのである。

自制が効かなくなる。それが「依存症」の特徴である。

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