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ワクチン差別?当然?飲食店からGoToまで接種者「優遇」続々。ネットで“ワクハラ”議論白熱、あなたの意見は?

コロナワクチンの接種対象が中年層・若年層にも広がりつつあるなか、コロナ禍で壊滅的なダメージ受けた各地の飲食店やホテルでは、接種を終えた人に割引や特典を与えるサービスが広がっていると、朝日新聞が報じている。

記事では、1回目のワクチン接種を終えた人に1,000円、2回目の人には3,000円をコース料金から割り引くキャンペーンを実施する名古屋市内の焼肉店などを紹介。また飲食業界ではワタミやモンテローザといった大手チェーンでも、ドリンク1杯を無料や1円にするキャンペーンを行っているという。

いっぽうでホテル・旅館業界でも、2度の接種を終えた人を対象に、部屋や料理をグレードアップできる特典がついたプランを提供するところもあるとのこと。今後、ワクチン接種が進んでいけば、こうしたサービスはさらに広がりそうと、記事では指摘している。

「GoToトラベル」もワクチン接種者を優遇へ

今回の記事で取り上げられているのは、民間の企業によるワクチン接種者へのサービスだが、日本に先んじてワクチン接種が進んでいた海外では、国や地方自治体がその手の優遇策を取るケースが多く、アメリカのある州では接種の特典として最大500万ドル(約5億4,000万円)の現金が当たるくじを進呈するなど、ワクチン特典競争といった様相を呈しているという。

さらに日本でも、今後GoToトラベルを再開した場合、利用者にワクチン接種か陰性証明を義務付け、接種した人がポイントや割引を受けられるなどの取り組みを進める計画があると、報道番組に出演した西村経済再生担当相が発言。ワクチン接種証明書に関しては、先日加藤官房長官が「7月中下旬から発行する」と記者会見で明かしており、官民両方におけるワクチン接種者へのサービスや優遇が、日本国内でも今後進んでいきそうな情勢である。

国がワクチン接種者への優遇を推し進めるのは、接種率のアップによって感染拡大を早急に抑え込み、経済活動を元のように活発化させたいという思惑があるためなのは、言うまでもないこと。特に感染拡大防止のために厳しい行動制限がとられている国においては、接種証明書あるいは陰性証明といった類が、経済活動再開のために欠かせない存在となっているという一面もあるようだ。

ただ日本国内においては、そんな接種者への優遇策に対して「ワクチン差別」「ワクチンハラスメント」といった、否定的な意見が多くあがっているのも事実。日本ではワクチンの接種が個人の判断に委ねられているにもかかわらず、その傍らでこのようなワクチン接種をしないと事実上行動が制限されるような政策を打ち出されれば、接種しないというポリシーを持つ人々にとっては、大きなプレッシャーとなるというのだ。

教育現場で起こった「ワクチン差別」に反応は二分

実際、「ワクチン差別」だと非難が集まるような事案も、ここに来て発生している。

愛媛県宇和島市にある小学校での出来事だが、6月下旬に行われた授業参観において「70歳以上の参観者は新型コロナワクチン接種の証明を提出」するように求める内容の案内文を保護者に送付。その後「差別に繋がる」との指摘を受けて、その文言を撤回する案内を再び保護者に送ったという。

市の教育委員会は「ワクチン接種は個人の自由で、未接種者への差別につながり、不適切だ」として学校側を指導し、市内の全小中学校に注意喚起を行ったといい、ネット上でも「ワクチン差別」だという批判の声が多くあがったこの出来事。ただそのいっぽうで、「これがどうして差別なのか?」といった意見も、ネット上では多くの支持を集める形となった。

ワクチン接種が進んでいくにつれて、こういった「差別だ」「差別じゃないよ」といった論争が増えていきそうなのは、想像に難くないところ。ただコロナの流行さえ収束すれば、この手の事象も自然に解消される、要は一時的な問題であるとの見方もある。「打つ」「打たない」といった分断ではなく、コロナ収束へと社会が団結していくことを願いたいが……問題はそう単純なものではないようである。

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