fbpx

東京でワクチン無効の変異株は出現するか?重症化促す「抗体依存性感染増強(ADE)」と中国製ワクチンの真実=高島康司

中国製ワクチンは危険なのか?「ADE」が発生する可能性

だが、「ADE」でもっとも懸念されるのは、ワクチンに対する副作用としてこれが発生する可能性である。

いま使われている新型コロナウイルスのワクチンは、コロナウイルスのmRNAをヒトの細胞内に注入して、スパイクタンパク質を細胞が生成する「mRNAワクチン」や、新型コロナウイルスのDNAを細胞に注入してスパイクタンパク質を生成する「ベクターウイルスワクチン」、そして無害化した新型コロナウイルスを細胞に注入する「不活化ワクチン」、また「不活発ワクチン」の発展型である「組み替えタンパクワクチン」の4種類が開発されている。

これらのどのワクチンも、無害化したスパイクタンパク質を生成して、これに対する抗体の産出を促すのが目的だ。こうした抗体を獲得していると、いざ感染した場合、新型コロナウイルスのスパイクタンパク質が細胞内に侵入するのを防止したり、または感染したとしても、抗体の作用によって重症化するリスクを抑える効果が期待できる。

しかし「ADE」は、スパイクタンパク質が細胞内に侵入するのを逆に助ける抗体だ。新型コロナウイルスのスパイクタンパク質は、細胞の表面にある「ACE2受容体」に結合して細胞内に取り込まれる。だが「ADE」が生成されると、スパイクタンパク質と「ACE2受容体」との結合を強めてしまう効果を持つのだ。

つまり、ワクチン接種によって生成される無害なスパイクタンパク質は、感染を防止する本来の抗体の生成を促すだけではなく、逆に感染を悪化させる「ADE」も産出してしまう可能性があるということだ。

これはワクチン接種の副作用が感染の拡大につながるという逆説的な結果だ。いま新型コロナウイルスの感染者にはこの「ADE」があることは確認されている。だが、ワクチンが生成するスパイクタンパク質によって「ADE」が産出されるのかどうかは確認されていない。専門家の間では、新型コロナウイルスの「ADE」の発生はないというのがコンセンサスのようだ。

中国製ワクチンの有効性と「ADE」

一方、「ADE」の危険性が一部で指摘されているのが、中国製ワクチンだ。今年の6月に入るころから、さまざまな組織や機関が、中国製ワクチンの有効性に疑念を投げかける報告書を出した。

6月11日、大手投資銀行の「JPモルガン・アセット・マネジメント」は、「欧米製ワクチンを採用している国々(アメリカ、イギリス、フランスなど9カ国)では人口の40%以上に接種した後、感染者が大幅に減少したのに対し、中国製ワクチンを採用している国々(9カ国)ではワクチン接種後に感染者が減少したのはハンガリーのみであり、特にバーレーン、モルデイブ、セイシェルでは感染拡大が深刻化している」との分析結果を公表した。

また「オックスフォード大学」も、「世界で最も感染率の高い上位10カ国のうち、パラグアイを除く9カ国が中国製ワクチンを採用している」との調査結果をまとめている。

このような結果から、日本でも中国製ワクチンの有効性は低く信頼できないとの見方が一般化している。そして、この低い有効性とともに、ときおり指摘されているのが、中国製ワクチンが生成する「ADE」の危険性である。

もちろん「ファイザー」などのワクチンでもこの「ADE」のリスクはある。だが、中国製ワクチンは「不活化ワクチン」である。新型コロナウイルスと遺伝情報が類似しているSARSウイルスの「不活化ワクチン」を研究しているときに「ADE」が生じ、その開発が断念されたという過去の経緯がある。

ということは、中国製ワクチンは有効性が低いだけではなく、「ADE」を発生させる可能性があるということだ。または、「ADE」の頻繁な発生が、中国製ワクチンの効果を低減させている原因とも考えられるというのだ。

Next: 日本で接種されているワクチンでも「ADE」は発生するのか?

1 2 3 4 5
いま読まれてます

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

MONEY VOICEの最新情報をお届けします。

この記事が気に入ったらXでMONEY VOICEをフォロー