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ヤフー“PayPayクレカ”発行で楽天経済圏との全面戦争へ。「改悪続き…」と嘆く楽天ユーザーからは競争激化を大歓迎する声が

ヤフー親会社のZホールディングスが、新たなクレジットカード「PayPayカード」の発行を年内にも計画していると、日本経済新聞がスクープしている。

PayPayの公式サイトなどには、今のところまだ何も情報はないが、報道によると新たに出るPayPayカードは、利用額の1%をスマホ決済「PayPay」のポイントとして付与、さらにクレカとPayPayを併用するとPayPayの還元率も1%上乗せになるという。また、「ヤフーショッピング」や「ロハコ」で使うと、「Tポイント」の1%分を含む計3%が還元されるという。

カードはZホールディングス傘下の金融事業会社を通じて発行され、カード番号やセキュリティーコードが券面に記載されない「ナンバーレス」、さらに年会費は永年無料となる模様だ。

新カード登場でヤキモキするヤフーカードホルダー

国内トップシェアを誇るスマホ決済のPayPayや、国内ECサイトのなかでも知名度が高いヤフーショッピングなど、利用者の多いサービスを多く抱えているZホールディングス。

しかしユーザーのグループ内への囲い込みという点では、2005年に取り扱いを開始した「楽天カード」を軸とした、強固な“楽天経済圏”の後塵を拝していた感もあり、今回のPayPayカードで巻き返しを狙う構え。SNS上でも、今回のPayPayカード発行開始に関しては、楽天経済圏への“殴り込み”“後追い”といった見方をしている人が多いようだ。

もともとPayPayやヤフーショッピングなどをよく利用していた人にとってはまさに待望の、あるいは「やっとか」といった印象の新登場で、公式のアナウンスを待つばかりといった声も多いが、その反面で今後の成り行きに一抹の不安を抱えているのが、Zホールディングスから既出のクレカ「ヤフーカード」をすでに持っている人々だ。

今のところ、PayPay残高のチャージが唯一可能なクレジットカードでもあるヤフーカードだが、報道によるとこれらが今後継続されるかは、追って検討がなされるとのこと。ちなみに、ヤフーカードの発行元だった「ワイジェイカード株式会社」も、今年10月に「PayPayカード株式会社」へと社名変更をすでにしており、今後はPayPayカードを前面に押し出すことが想定される。

またネット上で噂されている話によると、ヤフーカード会員がPayPayカードに申し込みをする際には、既存のヤフーカードを退会する手続きが必要となる模様。

要はヤフーカードとPayPayカードを両方持つのは不可能のようで、退会から再申し込みまでの手続きの手間にもよるだろうが、ヤフーカードの既存ユーザーは“すぐ乗り換え”か“しばらく様子見”という判断を迫られそうだ。

さらに、ヤフーカードホルダーのなかで話題となっているのがTポイントの今後。ヤフーカードでは付与されるのがTポイントだったのに対し、PayPayカードではPayPayボーナスになるということで、ネット上ではZホールディングスの“Tポイント離れ”が加速するのではとの声も。これまでTポイントを積極的に集めていた人々にとっても、PayPayカードへの乗り換えか否かで大いに悩むこととなりそうだ。

Zホールディングスの“攻勢”に楽天ユーザーも期待?

いっぽう、「PayPayカード」の新発行というニュースに対して“意外な”歓迎の声をあげているのが、Zホールディングスが“果たし状”を突き付けた相手である楽天のユーザーたちだ。

楽天といえば、このところは各種ポイント還元率の低下といった“改悪”の話ばかりが聞こえてくる状況。さらに来年4月からは、ポイントの付与を消費税込みの金額に対してではなく、税抜きの金額に変更するという、新たな“改悪”の発表も先日あったばかりだ。

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“釣った魚にはエサをやらない”と度々揶揄されてきた楽天だが、それでもここまでやるというのは、やはり苦戦が続いている「楽天モバイル」、さらにPayPayとの熾烈なシェア争いを繰り広げている「楽天ペイ」に、できるだけ資金を回したいという思惑。さらには、これまでに築き上げてきた“楽天経済圏”の盤石ぶりに、よほどの自信があったからに他ならないだろう。

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ただ、今回のPayPayカード発行によって、Zホールディングス側がユーザーの“囲い込み合戦”に本腰を入れてくるのは明らかとなれば、さしもの“楽天経済圏”も安閑としてはいられないところか。楽天ユーザーからは、Zホールディングス側の攻勢をきっかけに、改悪続きの楽天のサービスが良化することを願う声もあがっている状況だ。

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