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日経14700-15250円、1ドル102円が目先ターゲット~歴史的転換点の可能性も=江守哲

実質金利差から見たドル円の理論値は108円

ドル円がとうとう直近安値を更新し、106円台に入りました。そして、これが株価の下落を後押ししました。これも日銀が追加的な政策導入を見送ったことが要因であることは明白です。

22日の一部報道をきっかけに、109円台から一気に111円台後半まで急伸したドル円でしたが、残念ながら、金利差からはドル円は108円が実力ということが浮き彫りになりました。

今回の金融政策への期待は、為替市場でも非常に大きかったのだと思います。しかし、重要なチャート上の節目である112円を超えていなかったところに、何か見えない力が働いていたように感じます。結局は、こうなることが決まっていたかのような値動きです。

円安を日銀の政策に頼るしかない状況であることは、すでにメルマガで述べてきたとおりです。つまり、日本政府は、先のG20で円売り介入という手段を使えなくなりました。そのため、円安に方向転換させることはすでに出来ない状況にあるわけです。

とはいえ、市場では行き過ぎると警戒感が出ます。そのため、前回は107.61円で下げ止まったのですが、実はこれにもある力が働いていることは述べたとおりです。それが日米実質金利差です。現在の日米実質金利差から見たドル円の理論値は108円程度であることは認識しておきたい事実だと思います。

円の上昇に賭けていた投機筋

一方、4月19日時点のシカゴ円先物市場における投機筋の円ロングポジションは7万枚を超え、過去最高水準を2週連続で上回っていました。それだけ、投機筋が円の上昇に賭けていました。

日銀の政策発表前日には、米連邦公開市場委員会(FOMC)が開催され、米連邦準備制度理事会(FRB)は利上げを見送りました。また、利上げ時期についても急いでいないことを示しました。これにより、ドル安傾向が進んでいます。

このドル安は、欧州通貨や資源国・新興国通貨を押し上げます。結果的に円も押し上げますが、その上昇ペースは、今後は円よりも他の主要通貨のほうが強まる可能性があるのではないか考えています。

こうなると、ドル円だけでなく、他通貨もトレードしながら、その恩恵を得るようにすべきということになります。コモディティ通貨と呼ばれる豪ドルやカナダドル、南アランドなどの買いを検討することになるでしょう。無論、ユーロやポンドなどの欧州通貨にも買いが入ってくるのではないかと考えています。

今回の例を見てもわかるように、金融当局の行動次第で為替相場や株価は大きく動きます。イベント前にはあまりポジションを持たず、イベント後に対応できるようにしておくのが王道といえます。

歴史的転換期――1ドル102円の可能性は大

しかし、今回は歴史的転換期にあるともいえます。この機会を逃さないようにする勇気も必要かもしれません。

ドル円は107.61円の安値を割り込みましたので、今後は102円まで落ちる可能性が高いと考えられます。この水準は、ドル円の52週平均の15%下の水準です。このあたりで下げ止まるのが、過去のパターンです。ここまでの下げは念頭に入れておきたいところです。

円はリスク回避先通貨として世界の市場で認識されています。世界中がリスクオフになった場合には、今後も円が買われると思われますので、ドル円を中心に円の動向には注意が必要です。GW後半にさらに円高が進む可能性もありますので、特に気をつけたいところです。

米「監視リスト」指定で円売り介入はほぼ不可能に

ところで、米国が為替政策「監視リスト」に日本を指定しました。現在、この指定国には、日本のほか、ドイツや中国も含まれています。半期為替報告書で、貿易相手国の通貨政策を分析していますが、その中で日本は初めて監視リストに指定されています。

指定されただけでは、特に何もないのですが、日本が円売り介入しづらくなっている中での指定は、介入がほぼ不可能になったことを示しています。

麻生財務相は「G20において介入に一定の理解を得ている」としていますが、現実的にはほぼ不可能とみてよいでしょう。週明けの為替相場は大荒れになりそうです。

長期的にはドル円は最低でも87円に向かうとみています。メインシナリオで83円、状況次第では75円から最大で65円(2020年ごろ)までの円高もあると考えています。円高トレンドが終わるのはかなり先と見ておくべきでしょう。

Next: コモディティ市場は上昇トレンド継続/1994年や2009年の動き再現も?

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