東証「市場再編」も2022年の相場リスク
2022年の私的相場リスクのもうひとつのお題は、来年4月に東証が新しい区分けを実施することです。
直近の為替相場は必ずしも日経平均の上昇を好感して大幅に上げるということはなくなりつつありますが、逆に下落すると必ずご相伴に預かるように下落を余儀なくされるのが特徴です。
結局のところ、日経株価がパッとしないことは為替にも相当な影響があることを明確に示現する状況です。その東証が来年4月から市場区分を大幅に見直しするというのですが、果たしてこれは本当にプラスに働くのでしょうか。
市場は3つに区分されるが、米国株式市場とは程遠い状況
読者の方々はすでに十分ご存じかと思いますが、来年4月から東証は現在の5市場(東証1部・2部・JASDAQスタンダード・マザーズ・JASDAQグロース)から、3市場(プライム・スタンダード・グロース)へと、区分が統合されることになります。
東証1部・2部はいいとして、それ以外の市場はコンセプトが不明確、かつ東証上場企業3,767社中の6割以上が一部に上場しているものの、指数は225社で値嵩株にだけ引っ張られるというかなりいびつな状況で、この再セグメンテーションが市場を本当に活性化するのかどうかに注目が集まります。
切り分け方としては米国の3指数に似たものを感じますが、NASDAQのようなダイナミックに発展する銘柄は本邦には皆無の状態で、その魅力度は随分と異なるものになりそうです。
当初はプライムの上場基準を満たさずに落とされる銘柄がかなり多くなって話題を呼びましたが、実際には今後プライムの基準や公開すべきデータが非常に多くなることから、スタンダード枠からプライムにアップグレードすることを辞退する企業も140銘柄以上でてきています。
そもそも上場側がプライムにほとんどインセンティブを感じない状況になっている点が、ひどく気になるところです。
東証の時価総額は上海の半分、香港と同レベル
日本人と本邦の証券業界はまだまだ日本の証券市場は大きなものだと錯覚していますが、すでに世界的なシェアは5.3%程度にすぎません。
これは上海市場のほぼ半分、香港と同等でしかないのが現実です。
80年代日本の株式時価総額は、世界の4割にも達していたわけですから、すでにその規模は8分の1に過ぎず、まったく世界的に影響を与えるような立場にはないのが現実です。