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硬貨手数料に対抗、神社がお賽銭で“両替”サービス開始へ。銀行の高額手数料に悩む全国の神社に波及する可能性も?SNS上では「まるで中世」との声

大阪府交野市にある神社で、手数料を掛けずに紙幣を硬貨に両替するという取り組みが今後始まるようだと、SNS上で話題になっている。

神社に掲出されているポスターを見てみると、日々の商売でお釣り用として小銭を用意する必要がある商店主に向けたものよう。神社側は1円・5円・10円・50円・100円・500円を50枚まで用意し、両替に手数料はかからないと書かれている。

ついに「ゆうちょ銀行」も大量の硬貨の取扱を“有料化”

あまり耳にしたことがない、このような神社による両替サービスだが、この背景にあるのは言うまでもなく、銀行などの金融機関による硬貨の“取扱有料化”の流れだ。

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大量の硬貨を入金する際、あるいはお札などを細かい小銭に両替する際に、多くの銀行などで手数料を多く取るようになり、そのことが神社やお寺、あるいは個人商店などにとって悩みのタネになっているという話は、一昨年の年末ごろから昨年初めにかけて度々取沙汰されていた。ただ、そのタイミングにおいては「ゆうちょなら今のところ手数料無料」といった声もあった。

ところが、そのゆうちょ銀行も今年1月17日に「硬貨取扱料金」を新設し、硬貨を預ける際に枚数に応じた手数料が掛かるように。そのため導入前最後の平日となった14日は、全国の郵便局に大量の硬貨を抱えた駆け込み客が多く訪れたとのこと。その影響もあってか一部の郵便局では、設置してあるATMがすべて故障するといったトラブルもあったようである。

ただ、銀行などの金融機関としても大量の硬貨の扱いは、たとえ機械で集計するとしても、その機械の故障を防ぐために汚れた硬貨をキレイにする必要があり、場合によっては洗って干すこともあるなど、かなりの手間や時間が掛かるとのこと。長期化する超低金利によって収入が目減りするなかで、ある程度の手数料は貰わないとやってられないといった、金融機関側の事情も理解できなくもないところだ。

神社による両替サービスに「まるで中世」との声

このように、「大量のお賽銭を金融機関に入金したいけど手数料が掛かってしまう」神社やお寺と、「お釣り用に多めの小銭が必要だが手数料が掛かってしまう」商店主、それに「大量の硬貨の扱いは手間も時間がかかるから手数料を貰っても極力やりたくない」金融機関とが、三すくみといった格好になっている今の状況。

ただ、冒頭の神社による手数料なしの両替サービスがあれば、神社側はお賽銭の小銭をお札に替えることができるいっぽうで、商店主は小銭を用意する際に手数料が掛からなく済み、そのうえ金融機関は煩雑な大量の硬貨の扱いから解放されるとあって、まさに三方が得することに。それだけにネット上では多くの人が、この取り組みに対して好意的な見方をしているようだ。

また、それと同時に多くみられるのが「歴史の再現」「中世に逆戻り?」といった声。確かに当時の有力な寺社は、荘園からの収入や信者からの寄進などによって、巨万の富を得ており、それを手元に高利貸しなどの金融業務を行っていたことは、よく知られた話。今回の件でこのことを連想した人からは「そのうち僧兵を雇って政府に強訴?」「大企業も私兵を雇って武士化?」といった“妄想”もSNS上では広がっている。

現状では大阪府内にある一神社のみが行う予定のこの取り組みだが、同じような悩みを抱える神社やお寺、あるいは商店主などは、当然のごとく至る所に存在する。それだけに、場合によってはこの取り組みが全国的に波及し、新たなる金融システムが再構築されるのでは……そんな可能性までも取沙汰されている状況だ。

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