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「3回目」接種率わずか2%、進まぬ原因は“新旧ワクチン大臣の差”との声。現職・堀内詔子氏は郵政選挙以来の“政敵”山梨県知事との場外乱闘に突入か?

新型コロナワクチンの3回目接種について、政府が1月末までに約1,470万人への接種を予定していたにも関わらず、実際は今月23日時点で約236万人、想定の約16%で目標達成は困難かと、各メディアが伝えている。

報道によると、1月末までに3回目接種を行う対象者は、医療従事者が約576万人、高齢者が約650万人、64歳以下の現役世代が約244万人の合計約1,470万人。ただ、実際に接種した人数は約236万人で、全人口に対しての接種率だと2%ほどにとどまるという。

3回目の接種がなかなか進まない理由としては、対象者の多くを占める施設入所の高齢者らへの接種に関する“本人の意思確認”にかなり戸惑っているという点、いっぽうで医療従事者のほうには、副反応による診療への影響を心配して接種を控える動きもあり、それゆえ接種者が増えてこないのだという。

取沙汰される新旧ワクチン大臣の“発信力”の差

当初は8か月としていた接種間隔を、昨年末からのオミクロン株の拡大を受けて“短縮”を決めるという、政府による方針の急転換もあり、各自治体は接種券の送付にくわえ接種場所や打ち手の確保といった準備に大わらわといったも聞かれる今日この頃。

ただ、当初は2回きりで済むとされてた接種が、この調子だとコロナ禍が落ち着くまで、延々と打ち続けないといけないのかという厳しい見方も広がっている状況。さらに各地で再び“まん防”が発令されるなか、飲食店のなかには背に腹は代えられずと時短要請を無視するところも増えるなど、いよいよ国民の間で政府の言うことを本格的に無視し始める空気もできつつある。たとえ今後、3回目の接種の段取りが整ったとしても、思うように接種率が上がるかどうかも不透明といったところだ。

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いっぽうで、3回目接種に対して国民の機運がまったく盛り上がらないのは、新旧ワクチン大臣の“実力差”が如実に出ているのではといった声も、ネット上では多く見られる状況だ。

前任のワクチン大臣といえば、言わずと知れた河野太郎氏。在任中こそ何かと批判を受けることもあったものの、今となってはその実務能力はさることながら、何よりも国民に現状を伝える発信力は大いにあったと、その仕事ぶりを評価する声がここに来て増えてきている。

それに対し、岸田政権の発足に伴ってワクチン大臣となった堀内詔子氏だが、閣僚就任は今回が初だということもあってか、昨年の臨時国会では要領を得ない答弁を行ったりと、大臣としての素質・手腕が心配される場面がしばしば。何よりも国民に対しての発信力がないとの指摘が多く、立憲民主党の蓮舫氏からも「前大臣に比べ発信力が明らかに脆弱になっています」と言われてしまうほどなのだ。

ちなみに河野太郎氏のツイッターフォロワー数は約242万人を誇るのに対し、堀内詔子氏はわずかに8,000人ほど。国会議員のなかでも随一の発信力を誇る河野氏を比較対象にされるのは、堀内氏にとってはかなり酷な話であるのは正直なところ。

ただ、感染者数が今までにないペースで増え続けるなか、3回目の接種が遅々として進まず、またワクチン接種そのものへの不満や不安が広まりつつあるという非常事態なだけに、国民への説明を尽くして安心させるためにも、今からでも河野氏を再登板させたほうがいいのでは……といった声も、少なからず聞こえてきているというのだ。

ワクチン大臣vs山梨県知事の小競り合い勃発か

そんな“偉大過ぎる前任者”と比較されて立つ瀬のない堀内ワクチン大臣だが、つい先日、その発言が大いに取沙汰される一幕があった。新型コロナのワクチンを2回接種していない人に対し、不要不急の外出の自粛などを要請した山梨県の長崎幸太郎知事に対して、25日に「ワクチンを接種したかによって不当な差別的扱いをするのは適切でない」との考えを示したのだ。

堀内氏といえば衆議院の山梨2区選出とあって、長崎知事とはいわば同郷。ただ、この2人がかなり根の深い“政敵”同士であるというのは、地元・山梨県民のみならず広く知られた話である。

その端緒は2005年に行われた、いわゆる“郵政選挙”まで遡る。山梨2区選出で党の総務会長も務めた大物議員・堀内光雄氏が、郵政民営化法案に反対票を投じたことで、自民党からの公認を得られなかったのに対し、その“刺客候補”として送り込まれたのが長崎幸太郎氏。堀内詔子氏は、この堀内光雄氏の長男の妻にあたる。

その後紆余曲折があり、堀内光雄氏の後継として山梨2区で自民党の公認を得た堀内詔子氏と、自民党からの公認を得られず無所属での出馬となった長崎氏は、2012年・2014年・2017年の衆院選において、同じ選挙区で3度に渡って激突。12年と14年は選挙区で長崎氏が当選し、堀内氏は比例で復活当選という結果になったものの、17年は堀内氏が選挙区で勝ち、長崎氏はあえなく落選。その後長崎氏は、2019年に行われた山梨県知事選挙で当選し、今に至るという経緯があるのだ。

現在ではともに自民党に所属する長崎知事と堀内ワクチン大臣の両者であるが、長崎氏が二階派に属するのに対し、堀内氏は岸田派ということもあり、その対立関係は依然として続いているいうのが専らの見方。そんななか、山梨県でも感染拡大が顕著となっているが、長崎知事は“まん防”発令の要請を国に対して行わず、独自政策で乗り切ると表明。その流れで、ワクチン非接種者の不要不急の外出自粛という話が出たのだが、堀内ワクチン大臣はそれに対し先述の通り“適切でない”と牽制したというわけだ。

そもそも“まん防発令に効果があるのか?”という議論もあり、長崎氏の方針に対しては賛否が二分しているといった状況。ただそれはさておき、山梨県民からあがるのは「長崎派vs堀内派の争いをこういう場に持ち込むのは…」「これも山梨あるある」といった呆れ声。十数年に渡る犬猿の仲であることは分かるが、山梨県内はもとより日本全体が危機的状況だけに、“両方とも仕事しろ”というのが山梨県民、ひいては国民が思う正直なところだろう。

Next: 「もう何のために接種するのか目的がわからなくなっている」

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