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岸田政権の支持率、コロナより先にピークアウト。2つの大誤算で参院選前に「選挙の顔」入れ替えも=斎藤満

先進国で最低の3回目ワクチン接種率

先進国の中で、3回目のワクチン接種率は日本が最低レベルにあります。

ブースター接種の遅れが高齢者や基礎疾患のある人の感染、重症化につながっているとの批判も聞かれます。重症化しにくいといわれながら、感染の急拡大で、病床使用率が50%を超えたところが少なくなく、東京も含めて緊急事態宣言の必要性が議論されるようになりました。

感染者の急増とともに、濃厚接触者もその何倍もの広がりを持つため、感染者のみならず濃厚接触者の隔離によって、医療現場や保育所、介護施設などの運営が制約を受けるようになり、医療現場では「救える命が救えない」という昨年夏の状況が再現されるようになりました。

当初、重症化しないといわれながら、重症患者が急増し、自宅療養者が東京だけで8万人を超え、保健所や医療機関のひっ迫が進んでいます。

これでは安倍政権、菅政権のコロナ対応の失敗と変わらないとの見方が出るようになりました。さらに、検査キットの無料配布を行う自治体が増えましたが、あっという間に検査キットの不足が露呈し、しかもこれを処理する検査機関、医療機関の処理能力が問われました。

こうした基本的な体制づくりができないまま、検査キットの配布をしてしまったために、現場で無用の混乱を招きました。

支持率ダウンの要因その2:小出しのガソリン高対策

そしてもう1つの誤算が、ガソリン高対策です。

萩生田経済産業大臣の対策に大きな期待が集まりましたが、石油元売りにリッター3.4円分の補助金を支給した27日に却ってガソリン価格が上昇する事態に、現場では混乱が生じました。

近所のガソリンスタンドでは3日になってようやく174円から170円に下げられましたが、対応が遅いうえに小出しの結果に不満も聞かれます。

それだけではなく、ガソリン価格が170円を超えた分の補填という前提からすると、ガソリン価格はそれ以上下がらないことになり、期待と現実との乖離が大きいことがわかってきます。財務省の税収確保の強い姿勢もあって、ガソリン高対策と言っても小出しのものとならざるを得ません。

そもそも、昨年1年間に日本が輸入した鉱物性燃料は16兆9,000億円で、前年から5兆7,000億円も負担が増えています。これに対して、経済産業省のガソリン価格抑制策として予算計上した額は800億円に過ぎません。

これでは企業のコスト高も、これをユーザーに価格転嫁する際の防壁効果も限られます。原油高が続くとこの予算はあっという間に使い果たしてしまいます。

Next: トリガー条項は発動ナシ?参院選に向けて「岸田下ろし」の可能性も

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