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早大、複数のネット授業を同時に視聴した学生100名に「単位認定せず」賛否噴出。今や“推薦入学”が大半の名門私大、指定校推薦を“チート”呼ばわりして大炎上する事態も

新型コロナ感染拡大の影響により各大学で導入されたネット授業だが、早稲田大学の商学部において、複数の授業動画を同時に視聴したとされる“不正”が認められ、100人ほどの受講者に対して単位を認定しないと通知したことが、ネット上で大いに話題となっている。

報道によると、担当の教授が受講者の視聴状況を確認したところ、複数の動画の視聴完了時間が同一かほぼ同一で、ブラウザ上で複数のタブを使ったり、または複数のPCなどを用いることによって、複数の授業を同時に再生していたと認められたとのこと。担当の教授は単位取得に関して、すべての授業動画を視聴することを前提条件としていたという。

同学部では、不正行為があった場合は退学か、全科目不合格のうえで無期停学になると定めているが、担当の教授は今回の件に関して学部長に、そこまでの措置を求めなかったという。

いまや私大入学者の約半数が推薦で決まっている

昔の大学では、いわゆる“代返”などがごくごく一般的に行われていたものだが、今回の件もそれにある程度近いものだとも言えなくもない。それだけに今回の処分に関しては厳しすぎるといった意見もあり、「試験の結果で判断すべきでは?」「同時視聴ができるシステムが悪い」といった声も。

ただ、やはり非は学生側にあるとの意見は多く「ここまで厳しくしないと、講義の動画なんて誰も見ないだろう」といった意見も。真面目に勉学に取り組んでいる学生も当然いるだろうが、そもそも大学生なんて、できるだけラクして要領よく単位を取りたいと思っている者がほとんどでは……そんな世の中の大学生に対するイメージは、今も昔もあまり変わらないようだ。

ただ、そんな大学生たちの“気質”も、ここに来て大きく変わって来るではという見方も。というのも、最近の特に私大の入試においては、その入学者の6割が指定校推薦や総合型選抜(旧AO入試)などで決められているといい、その傾向は早稲田や慶応といった名門私大でも顕著だとのこと。逆に従来まで主流だった、いわゆる“学力試験”をパスして入学してくる学生が、今や少数派といった状況になっているというのだ。

少子化が進むなかで、各大学としても早めに優秀な人材な確保したいといった思惑、企業の採用でも見られるようないわゆる“青田買い”を、最近では大学でもするようになったという見方もされるこの状況。従来の学力試験による選抜は、当然のごとく学力的に秀でた学生を見出しやすいものの、その人間性などまでは分からず、入学した後に問題学生に……といったケースもあることからも、大学側としてはそういった面も勘案できる推薦入学などの比重を大きくしたいという考えもあるようだ。

ただ、それによって学力試験による入学がさらなる狭き門となれば、難関私立大に入るなら、内部進学ができる付属高校、あるいは小中学校に入らないといけないという流れにもなりかねず、そうなると各家庭の経済力や、付属校が存在する地域かそうでないかといった、居住地による格差も出るのでは……そんな懸念も出ている状況だ。

指定校推薦を“チート”呼ばわりのツイートが大炎上

このように大学入試において推薦入学の比重が大きくなっているという状況は、他ならぬ受験生をはじめとした学生の間でも、かなり敏感に受け止められている模様で、つい先日には指定校推薦を“チート”だと揶揄したツイートに、批判が殺到してしまうといった出来事もあった。

悠仁さまが“提携校進学制度”なる制度で、難関校である筑波大附属高校に合格したという報道に対しても、「一般入試じゃないの?」といった声が多くあがっているように、古い世代を中心に多くの人の中の頭には、いわゆる推薦入学は一般入試よりも価値が下がる、といった価値観が深く刻み込まれているのが正直なところ。上記のツイートも、そんな固定観念が前提にあったものだろう。

しかし最近は上記の通り、名門私大でも推薦などで選抜する枠が増え、それに応じてそのルートを目指す受験生も多くなっていることから、ツイートした本人も想定していないほどの批判殺到となったのかもしれない。。一般入試組と推薦入試組が対立する図式というのは今に始まった話ではないが、その論争の旗色も今後は大きく変わっていくことになりそうである。

Next: 「早稲田のレベルでさえ授業もまともに受けられないのがショック」

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