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米ドルは10年以内に基軸通貨の座から転落へ。ロシア制裁の裏で強烈に進む中国の通貨政策=今市太郎

ロシアが西側諸国のSWIFT制限制裁を受けているなかで、中国が独自の送金システムCIPSを提供することで、ロシアを助けようとしているのではないかという記事をすでにお送りしています。そして、この数週間で中国の通貨政策は驚くほど先に進みました。ややもすれば10年しないうちに、米国が基軸通貨の座を引きずり降ろされる可能性も出始めています。(『今市太郎の戦略的FX投資』今市太郎)

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※本記事は有料メルマガ『今市太郎の戦略的FX投資』2022年3月18日号の一部抜粋です。興味を持たれた方は、ぜひこの機会に初月分無料のお試し購読をどうぞ。

サウジが示唆した人民元建て決済による原油輸出という驚愕の状況

まず驚かされたのが、サウジアラビアが人民元建てで原油輸出を決済することを検討しているという報道です。

米国の完全属国のような本邦の市場参加者は、「米国がすべて」という猛烈にバイアスのかかった思考で相場に向かっているようにも見えます。

しかし、全世界のうちの8割近くの国や人々は、別にすべての金融商品取引をドル建てにして行うことに決して満足していないのが現実。

冒頭のニュースから、ロシアがSWIFT決済から除外されたことを機に、別の通貨での商品決済を行う動きが出始めていることを如実に示す出来事が起きていることがわかります。

恐らく当面は、サウジから中国に輸出する原油を人民元で決済することからスタートするのでしょう。

そして、周辺の中東諸国・イラン・イラクなどが相次いでその動きに乗ることになれば、ロシアも人民元建てでこれから簡単にエネルギー輸出が可能になります。

そうなれば、原油がドル建てという長く守られた仕組みは完全に崩壊することになります。

ロシアと中国が「共通通貨」の発行を検討するというさらに驚く報道

先週末にヘッドラインが踊ったのが、ロシアが主導するユーラシア経済連合(EAEU)の加盟国は、中国とともに、自由な国際通貨・財政システムを構築するため「単一通貨」の導入プロジェクトを検討しているという報道でした。

もちろん、まだ検討段階ですが、たとえばデジタル人民元が先行ローンチし、それとペッグ制で一定価格で売買できる新たな地域流通ステーブルコインを開発すれば、ほぼ同一のシステムの中で売買が可能になるわけですから、こちらも相当早いタイミングで実施可能な内容と思われます。

西側主要国の中銀がぼんやりしているうちに、中央銀行デジタル通貨(CBDC)の知見と統合的な仕組みをすっかり中国・ロシア勢にもっていかれる可能性も出てきています。

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