ロシアの下院において「ロシアは北海道に権利を持っている」といった発言が飛び出していると報じられ、日本国内で大きな波紋を呼んでいる。
現地メディアによると、上記の発言は国家下院副議長を務めるセルゲイ・ミロノフなる人物によるものだという。氏はそれ以外にも「もし日本人は関東軍の運命を忘れたのであれば、それを再現してやろうではないか」とも発言しているようだ。
ロシア語の原文を確認しました。本当に言っています。また、「もし日本人は関東軍の運命を忘れたのであれば、それを再現してやろうではないか」とも言っています。 https://t.co/u1MjVrayN3
— グレンコ アンドリー(新刊「NATOの教訓」増刷決定) (@Gurenko_Andrii) April 6, 2022
関東軍といえば、戦前に存在した大日本帝国陸軍の総軍の一つ。中国東北部の関東州を守備し、満州事変の勃発や満州国建国にも大きくかかわった存在として知られるが、1945年8月のソ連対日参戦によって壊滅している。
アイヌ団体がプーチンに要望書か?
欧米の経済制裁に同調する日本への反感が強まっているロシア国内。今月6日にはロシア外務省のザハロワ情報局長が、日本の反露的行動に対抗措置を取るべく内容を検討していると、定例会見で述べたと報じられている。
対抗措置の具体的内容は明らかにされていないが、ロシアはすでに3月の段階で、日本が対露制裁に加わったことを受けて、北方領土問題を含む日本との平和条約締結交渉の中断、北方領土へのビザなし交流の停止、北方四島での共同経済活動からの撤退なども表明しており、それよりも厳しい内容となるのは間違いなさそうである。
そのいっぽうで、ロシアによる制裁はこのような政治・経済的なものに留まらないのでは……といった声も、少なからずあがっているようだ。
その“根拠”のひとつとされているのが、プーチン大統領が2018年にモスクワで開かれた人権評議会で示したという、「アイヌ民族をロシアの先住民族に認定する」という意向。今回のウクライナへの侵攻が「自国民の保護のため」だったのと同じく、日本へは「アイヌ民族の保護」などといった名目をでっち上げ、北海道あたりに乗り込んでくるのでは……というのだ。
実際、数年前に道内で活動しているあるアイヌ団体が、北方領土をアイヌ民族の自治州あるいは区にして欲しいなどとする要望書を、プーチン大統領に対して出していたこともここに来て大いに取沙汰されている。最近になって当該団体は、そのページをウェブサイトから削除したようだが、SNS上では「外患誘致では?」といった声も多くあがっている状況だ。
活動を活発化させる極東のロシア軍
ウクライナ侵攻が始まり、日本が対ロ制裁に参加した3月以降、極東にいるロシア軍の動きは殊に活発になっており、このところは北方領土を含む地域において、最高で3,000人規模の兵士が参加する軍事演習、そしてミサイル発射演習を行ったとの報道が。
さらに同じく3月には、ロシア海軍の艦艇10隻が津軽海峡を太平洋側から日本海側に向けて通過したと防衛省が発表している。
SNS上では、アメリカと同盟関係にある日本には、ロシアもおいそれと手は出せないだろうといった見方もあるものの、そもそもウクライナへの軍事侵攻もまさかの出来事だっただけに楽観視はできないとの声もあり、その反応は分かれるところ。
ただ少し前には、核シェルターがほとんど普及していなかった日本でも、最近では俄かに問い合わせが殺到し、大阪にあるショールームに北海道から訪れる方も存在すると報じられたように、日ロ関係が今後最悪な状況に陥ることを危惧する向きが増えているのは間違いなさそうである。
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