「なぜその国で起業するのか?」の答えが必要
俣野:FOMAは、携帯でネット検索などができる先駆けでしたからね。それが海外での起業に繋がるとは、人生とはわからないものです。
織田:これから海外での起業を志す人は、先に「なぜその国で起業するのか?」という質問に明確な答えを出しておいたほうがいいと思います。でなければ、途中で挫折してしまうかもしれません。
私の経験から言うと、今後、始める事業が日本でもできるのなら、日本で起業したほうが、はるかに楽だと思います。
中には、VISA目的で起業しようとする人もいるようですが、単に海外で暮らしたいだけであれば、タイやフィリピンなど、お金を払えばVISAを買える国もありますので。
起業のしやすさは、国によって千差万別
俣野:海外で起業する際、一番のネックは、やはり言葉の壁でしょうか。
織田:言葉はもちろんのこと、商習慣や法律の違い、文化や考え方の違い、雇用や労務の問題等々、その国ごとに違います。
シンガポールのように、100%外資OKな国もあれば、必ず合弁にしないといけなかったり、現地人の雇用が必要になったりする国もあります。
こういった諸々をコントロールしていくのは、日本以上に大変だと覚悟しなくてはなりません。
シンガポールの起業事情
それでも、シンガポールは比較的起業に対するハードルは低いほうだと思います。基本的に、現地在住の役員が1人以上いれば開業できます(それ以外にセレクタリー:現地在住の会計士、弁護士等が1人以上必要)し、会社を興すだけなら、1シンガポールドル(約94円)からでもできます。
ただし、VISAを取得するとなると、話は別です。自分自身含めて、滞在VISAが必要な場合は、少なくとも20万シンガポールドル(約1,900万円)以上は資本金を積まないと、VISAの認可が下りないと言われています。