fbpx

ビットコイン相場は年内低迷も2026年に1000万円超えか。2つの追い風とメキシコ億万長者の強気発言=高島康司

中央アフリカのビットコイン法定通貨化

そうしたなか、ビットコインの法定通貨化の流れも進んでいる。4月27日、世界最貧国の1つの中央アフリカの議会が、ビットコインを法定通貨とする法案を全会一致で可決したのだ。ビットコインの法定通貨化は、中米エルサルバドルに続き、世界で2カ国目となる。

中央アフリカは金やダイヤモンドの埋蔵量が豊富だが、紛争が長引いて経済低迷が続いている。大統領府高官はビットコインの導入で「国民の経済状況が改善する」と強調した。

ビットコインは外国から送金する際の手数料を減らせるなどの利便性があるものの、変動幅が大きいため法定通貨には不向きとの指摘も多い。

しかし過去7カ月間のエルサルバドルの経験を見ると、ビットコイン相場の下落で損をする場面はあったものの、相場の上昇で政府が得た利益は大きく、それが社会インフラの整備に還元されている。まだ紛争が絶えず、最貧国の1つである中央アフリカでこのようなメリットが見られるようになれば、ビットコインの法定通貨化の動きはさらに加速する可能性も指摘されている。

「ゴールドマン・サックス」の新サービス

このように、ビットコインを中心とした暗号通貨の相場は、下げトレンドであるにもかかわらず、暗号通貨の将来性を楽観させる動きもある。「ゴールドマン・サックス」による新しいサービスの発表もそうしたものの1つだ。

4月29日、銀行・金融サービスの巨人、「ゴールドマン・サックス」が、ビットコインを完全担保とした借り手への史上初のローン供与を行うことが明らかになった。このサービスは、投資額が2,500万ドル以上の富裕層顧客に対して提供されるものだ。同行の広報担当者は、「ゴールドマン・サックス」がこの取引に関心を持ったのは、ビットコインの仕組みと24時間体制のリスク管理によるものだと述べた。

これは、同銀行が債務者のビットコインに裏付けされたローンを提供する初めてのケースである。これは、ビットコインの価格が一定レベル以下に下落した場合、「ゴールドマン・サックス」は債務者にさらなる担保の追加や既存の担保のビットコインを清算するよう強制できるシステムだ。

金融機関が、ビットコインを担保として提供する企業に融資することは、優良な組織が提供する暗号関連サービスの次のステップになると見られている。

最近、暗号通貨交換プラットフォームの「Bitstamp」は、世界中の5,500以上の機関投資家を調査したところ、彼らの88%が暗号通貨が最終的に伝統的な証券を追い抜くと信じていることを発見した。「ゴールドマン・サックス」による新しいサービスの開始は、機関投資家による暗号通貨の楽観的な見通しを背景にした動きだと見て間違いない。

ビットコインを中心とした暗号通貨は、これからも乱高下することはあっても、証券やゴールドを越える信頼性の高い資産として次第に見られるようになっている。これはビットコインの相場にもプラスに作用するはずだ。

Next: 「2026年には1,000万円を超える」ビットコインの長期予測

1 2 3 4 5
いま読まれてます

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

MONEY VOICEの最新情報をお届けします。

この記事が気に入ったらXでMONEY VOICEをフォロー