fbpx

「絶好の売り場」を提供? 説得力がない麻生財務相の円高阻止発言=斎藤満

現在の水準は「歴史的な円安」

つまり、麻生大臣が言うほど、為替は円高ではなく、長い目で見れば、実質実効レートは依然として「歴史的な円安」水準にあることを示唆しています。海外の指導者もこれを認識している可能性があります。

従って、サミットなどでは「為替の急激な変動は好ましくない」点では共感を得ても、円が偏って異常な円高にあるとの点では共有化できないでしょう。

米ドル/円 日足(SBI証券提供)

米ドル/円 日足(SBI証券提供)

米ドル/円 週足(SBI証券提供)

米ドル/円 週足(SBI証券提供)

米ドル/円 月足(SBI証券提供)

米ドル/円 月足(SBI証券提供)

購買力平価からは1ドル100円が妥当

もう一つの指標、購買力平価でみると、ドル円は100円前後でよいことになり、今の水準は決して「行き過ぎた円高」ではありません

物価指数を企業物価など、貿易財に近いものでとると、さらに均衡水準は円高になり、90円でもよいことになります。

日米金利差から見た適正レートは90円台

さらに、日米の金利差(2年国債)からみたドル円相場も90円台が適正となっています。これらの「均衡水準」を大きく超えた円安を一旦経験してしまったために、そこからの円高が「ハンデ」に見えますが、水準自体は騒ぐほどの円高ではなく、為替介入までして円安に戻すことは、国際的にも正当化されません。

Next: アメリカの手の平で踊る安倍政権、円売り介入実現の可能性は低く

1 2 3
いま読まれてます

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

MONEY VOICEの最新情報をお届けします。

この記事が気に入ったらXでMONEY VOICEをフォロー