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「発注ミス…助けて!」昔は“ネット上の美談”も今では善意につけ込む手法との認識が大勢? 最近では行き場のない宮古島マンゴーを巡って大炎上も

誤発注や発注ミスなどの理由で商品を大量入荷してしまったと語り、「助けて下さい」と訴えることで、憐れんだ客にその商品を買ってもらうという、SNS上などでよく見聞きする行為に対し、ここに来て疑惑の視線が一気に広がっているようだ。

話題になっているツイートでは、「客の善意につけ込んでるようにしか見えない」「担当者はミスを繰り返すな。開き直るな」などの問題点が挙げられ、「本当に困った時に使えなくなるよ…」と、あたかも狼少年の末路のような状況となるのではと指摘。

このツイートには「毎回こういう手合いはワザとやってんじゃない?と思っています」「年中閉店セールやってるお店と同じ臭いがしますw」などと、多くの同意見だという反応が寄せられているようだ。

大量ミス仕入れの飲食店が「誤発注を装った?」と批判されるケースも

当初は「ネット上の美談」「SNSで広がる善意の輪」といったノリで、好意的に語られることも多かった、この手の話題。定番である「あり得ないほどの在庫の山」といったインパクト大の画像も、SNS上での耳目を大いに引いたものだったが、あまりにも多くその手の話が消費され続けてきたためか、今や多くのSNSユーザーにとって食傷気味となっているのは否めないところだ。

それに伴って、先述のように「ワザとやってるのでは?」との声もあがるこの手の話だが、例えば元ツイートでも画像が取り上げられていた某激安店の場合は、明らかに狙ってやっているとの見方が専ら。

確かによく見ると、発注ミスをしたとして名指しされている担当者の名が毎回同じなうえに、ミスる商品がお菓子や袋ラーメンといった、賞味期限がある程度長いものばかりなのも特徴的。挙句の果てには、店頭POPに発注ミス予告までしている始末なのだが、とはいえ消費者側の多くも、これらは店側がネタとして、あるいは一種のマーケティング手法としてやっているということは、重々織り込み済みだといった様子だ。

いっぽうで同じような趣旨の話として、飲食店が発注をミスってしまい、店の規模的に到底捌ききれない量の食材が届いてしまい……といったこともよく耳にするが、それに関しては過去に「インチキでは?」との疑いが掛けられ、大炎上となったケースもあった。

発端は、96㎏という大量の鶏肉を誤発注してしまったという神戸市にある飲食店店長を名乗る人物によるツイート。食べ放題飲み放題を500円引きするので助けてくれという内容に、同情するツイートも一定数集まっていたようなのだが、同業者とみられる人物から「冷凍保存で2年はもつ」「値段は5万円ほどなので大して損失は出ないはず」との突っ込みが。

それにより店への同情論は一掃されてしまい、「誤発注を装ったのでは?」といった疑惑が渦巻く展開に。批判を受けた店主は、ネットメディアの取材に対し「まさかこんな事態になるとは」「今はショックで何も考えられない」と、涙ながらにネット上の憶測を否定するという事態となったのだ。

この店長の行動が誤発注を装った宣伝行為だったのか、それとも本当に誤発注だったのか、その真相は結局のところ闇の中となったのだが、とはいえこれらの出来事が起きた3~4年前の段階で、すでに誤発注や発注ミスをダシに同情を買うといった話に対して、懐疑的な見方も多かったというのは間違いないようだ。

「発注ミス」は廃れるも新たなストーリーが横行か

このように、誤発注や発注ミスという理由付けはすっかり廃れてしまった感はあるものの、それとは別のストーリーでもって、消費者からの同情を誘うという手法は、今だに多く用いられているようで、つい最近だと宮古島産マンゴーを巡って炎上沙汰があったばかりだ。

マンゴー農家を引き継いだものの顧客情報は引き継げなかったと語る人物が、1万個ほどの行き場がないマンゴーを、赤字覚悟で販売するというツイートをしたのは、今月15日のこと。当初、そのツイートは広く拡散され、話に同情したのか購入を希望するといった向きも多くいたようなのだが、なぜか購入希望者に対してLINEへの登録を誘導するという手法や、ツイートに掲載されていたマンゴーの写真がフリー画像だったことの露見、さらに実際は赤字処分どころか送料込で1個4,000円という価格だったこともあり、疑念の声が噴出。

そのうえ、情報商材の界隈で有名だという人物が、このマンゴー農家との関わり合いがあることが判明したことで、炎上がさらに加速。通報が相次いだためか、結局はこの自称・マンゴー農家のツイッターアカウントが、凍結されてしまうという事態になったのだ。

現在進行形の話でもあり、マンゴー農家側に消費者を騙そうとする意図があったのか、さらに一連の行為が詐欺にあたるものかどうか等に関しては、今後の話の推移次第といったところ。とはいえ、同情心をダシに何かしらを売るという行為に対して、消費者からの視線がより厳しくなっているのは間違いないようで、この手の話が「ネット上の美談」として受け止められていたのも、今や昔といった状況のようだ。

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