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プーチン勝利宣言は9月11日前後か。日本で報道されないウクライナ軍の損害と本当の戦況=高島康司

いまロシア軍が有利に戦いを進めているが、さまざまな情報のソースから、ロシアのプーチン大統領が9月にも、重大な提案をアメリカを中心としたNATO諸国とウクライナに行う可能性が出てきた。これがウクライナ戦争の決定的な転換点になる模様だ。この提案をNATO諸国とウクライナが受け入れれば、その時点で停戦が実現されるだろうが、もし拒否すればウクライナが国家としての主権を失うような破壊的な戦争に突入する可能性もある。どうなるかはいまのところはっきり見えないが、今後の世界の状況を決定する歴史的な出来事になるだろう。(『未来を見る! 『ヤスの備忘録』連動メルマガ』高島康司)

【関連】ウクライナ危機で「グレート・リセット」本格始動。ロシアが2月24日に軍事侵攻した本当の理由=高島康司

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ロシアは負けない。ロシア軍の勢力はウクライナ軍を3倍上回っている

ちょっと日付が古いが、香港ベースの英文大手紙「アジアタイムス」の戦況分析を見てみよう。

東部ルガンスク州を占拠した後、ロシア軍は7月7日前後から大規模な攻勢に出る前の軍の再編を行っている。したがってどの地域でも、大規模な戦闘は比較的少なく、戦況の大きな変化もないようだ。「アジアタイムス」が報じる1週間ほど前の7月15日の戦況は、現状を伝えていると考える。

また、他の戦況分析も見たが、ほぼ「アジアタイムス」の伝える内容と同一であった。以下が戦況である。それぞれの地域の動きを掲載すると繁雑になるので、全体の戦況のみを伝える。

<7月15日の戦況:評価>

軍事活動のほとんどは中央・東部地域で引き続き観測されているが、ウクライナは黒海に接する南部地域の解放を動員活動の主要目標として宣言している。

EU対外行動庁の安全保障アドバイザー兼政治担当官であるジョウニ・ラアリは、ロシアの作戦休止開始時点(7月7日)の状況を次のように総括している。

「ロシアは、イジウム-ライマン-ビロホリフカ-バフムート方面に20のBTG、合計60の大隊戦術群(BTG)を集中させた。対応する地域を防衛するウクライナ軍は全部で20個大隊である」。

これは攻撃作戦の成功に必要な古典的な兵力差の3対1のロシアの優位性を構成している。ウクライナがドネツク州の戦いに大砲を装備した部隊を大幅に追加投入しない限り、ロシアの組織的な攻勢はゆっくりと続き、夏の終わりまでにドネツク州東部の大部分を制圧すると予想される。

ウクライナは、ドニエプル方面へのロシア軍の実質的な戦略的突破を防がなければならないのは明らかである。このような状況下で、有能な人材が明らかに不足しているウクライナが、大規模な反攻と南部への兵力集中をどのように行うことができるのか、その見通しは立っていない。

ウクライナ軍関係者は、約束された米国、英国、ドイツの「MRLSユニット」がもたらす大規模な戦力増強効果について、しきりに語っている。 これは大げさであり、どちらかといえば、ヒトラー政権末期のヴンダーヴァッフェン信仰に似ている。

事実、「HIMARS」と同様のシステムが短・中期的に納入・配備されるのは、ごく少数に限られる。今のところ約束されているのは、確立された揺るぎないロシアの航空優勢に対する十分な防空能力を持たない、惨めな10数機のシステムだけである。

さらに、「ウォールストリートジャーナル紙」のジリアン・ケイ・メルキオールの論説によれば、「ウクライナ当局は、約100基の「HIMARS」が必要だと言っている。一方、米上院の情報筋によれば、最初の4基の「HIMARS」を含むユニットには、ランチャーあたり20基以下のミサイルしか含まれていなかったが、その後のユニットにはかなり多くのミサイルが含まれていたとある。

しかし、最も重要なのは、マンパワーの大幅な不足である。報道によると、クレムリンはロシアの85の州に対し、軍隊に志願兵を提供するよう命じ、それによって政府からの総動員の指令を回避している。

地方は募集と採用奨励金の支給を担当する。各400人の大隊、合計3万4,000人の兵士が集められる。国防省は月給17万ルーブル(2,800ドル)の最低額を支払い、地方は入隊のためのボーナスを上乗せする。

この新しい「志願大隊」は、ロシア軍の損失を補填する戦力を容易に生み出すだろう。前述したように、このようにしてロシアが兵力問題を処理し、戦争がさらに単純な消耗戦に変質していけば、「ロシアは負けず、ウクライナは勝てない」と、米国の情報将校は指摘している。

以上である。これを見ると分かるが、要するにロシア軍の勢力はウクライナ軍を3倍上回っており、ロシアに優勢に戦況は展開している。いまロシア軍は、大攻勢の準備のため兵力を増強させ立て直しを図っているが、これが完了するとロシア軍が東部ドネツク州を占拠し、ルガンスク州を含む東部ドンバス地方全体を掌握するのは時間の問題となる。

一方ウクライナは、「HIMARS」など欧米からの先端的な兵器の支援で戦局の逆転が可能だと言っているが、兵力が圧倒的に不足しているので、これは実質的に不可能である。

このように、明らかにロシア軍は優勢で、ウクライナ軍は劣勢に立たされている。

Next: 終戦は近い?ウクライナ軍の損害は想定以上

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