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食品市場もガラパゴス。日本人だけが気づいていない東南アジアの食品意識の大進化=牧野武文

アジアで起きている食材に対する6つのトレンド

アジア圏で起きている食材に対するトレンドは、次の6つです。

1)健康志向

2)栄養素志向

3)安全・トレーサビリティ志向

4)環境・持続性志向

5)植物タンパク質志向

6)オンライン志向

中国では健康食材ブーム、インドネシア、タイも意識が高い

1の健康志向は、体にいい食材を食べるようになるということです。肉ではなく、野菜や果物。油、脂肪、糖分、塩分を抑える傾向が出てきます。また、外食では食材のコントロールがしづらいために、外食から内食への変化も起きています。

各国の消費者に「今後、健康的な食材を価格が高くても購入するか」という質問の回答では、中国は現在健康食品ブームと言っていいほど、健康食材が注目されています。インドネシア、タイなど都市化が進む国でも意識が高くなっています。

報告書では、健康に寄与するとされている野菜、果物などの価格は、需要が強くなっているため、今後12ヶ月で30%価格が上昇することが予測されているが、それでも購入するかということを問うたものです。

健康食品ブームとも言える中国では、ほぼすべての消費者がそれでも購入すると回答しています。また、インドネシア、タイ、ミャンマーなど都市化が進む国でも高い数値となり、健康意識が拡大していることが窺われます。

ジャンクフードは各国で減少

このような中で、ジャンクフードとも呼ばれるスナック食品が各国で減少しています。

各国の消費者に「この3年間で、スナックを食べる機会が増えたか減ったか」を尋ね、「増えた」と答えた人の割合から「減った」と答えた人の割合を引いた結果、多くの国でスナックを食べる頻度が減ったと答えています。また、健康食材を使った機能性スナックが伸び始めています。

コロナ禍で自宅にいる時間が増えたのに、スナック菓子を食べる機会が減っています。自宅にいる時間が長いからこそ、健康を考えるようになっているのかもしれません。

これに代わって伸びているのが健康スナック、ヘルシースナックです。ノンフライやグルテンフリーなどのスナックです。しかし、ノンフライスナックは食べた満足感が乏しいため、食べすぎてしまいかえって塩分をとりすぎてしまうなどの問題もあります。

スナックの代わりに、果物やナッツ、ドライフルーツに替える人も増えています。これだけ、スナック菓子を避ける傾向が生まれているので、健康スナックは成長が期待できる市場だと見られています。

また、面白いのは、香港、マレーシア、フィリピン、ベトナムなどでは、健康スナックもわずかですが減ったと答えている人が上回っています。理由は定かではありませんが、新鮮な果物が手に入りやすいのではないかと思われます。

Next: 食品のオンライン化で遅れを取った日本

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