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日本の脱炭素で儲かるのは中国企業だけ。グレタさん原発“擁護”発言で世界のエネルギー政策に変化の兆しも=原彰宏

CO2「全体としてゼロにする」の真意は?

「全体としてゼロにする」とは、「排出量から吸収量と除去量を差し引いた合計をゼロにするということです。

2050年にはカーボンニュートラルを目指すということです。

2050年のカーボンニュートラルを目指す前の目標である2030年での電源構成は、非化石燃料電源を59%にするとしています。この内、原子力発電は20~22%、再生可能エネルギーは36~38%に設定されています。

原発ゼロではないのです。

原発は再稼働、新設・増設でこの数字は維持できますが、再生可能エネルギーの目標数値は達成できるのでしょうか。

あるいは非化石燃料「59%」という枠組みを維持するために、その中の比率は流動的と考え、再生可能エネルギーで実現しなくても原発で多くのCO2排出を削減できると考えているのでしょうかね。

これが狙いでしょうか…。

再生可能エネルギーは外資優遇策?日本のメーカーは虫の息

当メルマガの22年10月配信分では、原発に関して、様々な観点から「なぜ再稼働が必要か」「なぜ新設・増設が必要か」を検証してきました。再生可能エネルギーはコストが高いという印象を与えるための「固定価格買取制度(FIT)」であると指摘してきました。

現状の再生可能エネルギーの電力比率は、2020年度で「20.8%」という数字があります。毎年微増で、顕著に増えているという感じではありません。

日本メーカーが育たない……。かつて太陽光発電や風力発電のメーカーは日本社がトップを占めていましたが、いまは中国と韓国が大きくシェアを伸ばし、日本社はトップ10に入っていないことも、当メルマガで指摘してきました。

蓄電技術の進歩も見られず、今になっていくつかのスタートアップ企業が出てきてはいますが、当時から国を挙げて蓄電技術を向上させていれば、今のような電力不足に悩まされることもなかったということも指摘しています。

太陽光発電メーカーの2020年市場シェアを見ると、以下のようになっています。
1位:Longi(隆基緑能科技) 中国
2位:Tongwei Solar(通威太陽能) 中国
3位:JAソーラー(JA Solar) 中国
4位:アイコ・ソーラー・エナジー(Aiko Solar・愛旭太陽能科技) 中国
5位:トリナ・ソーラー(Trina Solar) 中国
※参考:2020年の世界太陽電池市場、シェアトップ5社は? – 日経BP(2021年5月24日配信)

風力発電メーカーの2019年市場シェアを見ると、以下のようになっています。
1位:ヴェスタス(デンマーク)
2位:シーメンスガメサ・リニューアブル・エナジー(スペイン)
3位:金風科技(ゴールドウィンド)(中国)
4位:GEリニューアブル・エナジー(米国)
5位:遠景能源(ENVISION)(中国)
※参考:風力発電メーカーランキング、ヴェスタスとシーメンスガメサが上位。中国企業も席巻 – Sustainable Japan(2020年5月31日配信)

ネットサーフィンをして拾った情報なので、みなさんでもきちんと調べていただければと思いますが、個々で言いたいのは、日本企業が1社もなく、大多数が中国メーカーであることを知ってもらいたかったのです。

東日本大震災以降11年間、日本の経済産業省は何をしてきたのでしょうね。本気で再生可能エネルギー発展に取り組む気があるのでしょうかね…。

Next: 日本の太陽光発電量は世界第3位も、その技術は中国製がほとんど

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