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NHK副会長の息子局員、副業禁止のはずが“ラノベ執筆でアニメ化”報道が波紋。それでも売れっ子作家よりもNHK職員のほうが断然儲かる?

NHKの副会長という要職に就く正籬聡氏の子息が、同じくNHKで勤務しているうえに、その傍らで人気ライトノベル作家としても活動していると報じられたことが、一部の界隈で波紋を呼んでいる。

その人物はNHKの東北地方にある放送局で、ディレクターとしてドラマの演出などを担当するいっぽうで、『逆井卓馬』というペンネームでこれまでライトノベルを7冊上梓。なかでも『豚のレバーは加熱しろ』という作品は、シリーズ化されているうえに、時期未定ながらアニメ化も決まっているという人気ぶりのようだ。

報道によると、NHKの規定では職員の副業を原則禁止しているというが、副会長の息子ということもあってか、上司も含めた周囲は黙認状態だとのこと。またNHK広報は取材に対し、「職員個人のことについては回答を差し控えますが、内規に従って適切に対応しています」と答えているという。

報道に本人もツイッターで反応

一般企業などにおいては、ここ数年大いに持て囃されている感もある反面、公務員の間では依然として厳しい制限が続いている副業や兼業。

以前には平塚市のとある男性職員が、約2年間の病気療養の休職中に2つの出版社からライトノベルを4冊出版し、印税約320万円を得ていたことが発覚。さらにその期間内に、自身のSNSアカウントで「買って下さい」などといったツイートを1万回近くするなどしていたこともバレて、停職6か月の懲戒処分が下されたことが。ちなみにその職員だが、処分のあった日に依願退職をしたようだ。

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いっぽうで今回報じられた件だが、NHK職員は身分的に公務員というわけではないものの、曲がりなりにも“みなさまの受信料”で経営が成り立っているだけあってか、公務員と同様に職員の副業・兼業は原則的にご法度となっている模様。

実際、学生時代からお笑いタレントとして活動していたたかまつなな氏が、NHKにディレクターとして入局した時には、兼業が認められないがゆえに、お笑いの仕事に関してはお金をもらわずボランティアで続けるというを取ったようだ。

となれば、今回のケースのようなラノベ作家としての活動も例外ではなく……といった見方も出てくるところだが、実際には先述の通り、NHKの広報も「内規に従って適切に対応しています」と答えているように、特にお咎めなしといった様子。当の本人も、今回の報道があった直後に「逆井も兼業作家ですがきちんと正式な許可を得て作家活動をしていますのでご安心ください!」と、自身のアカウントでツイートしている。

ちなみに、先述の平塚市職員は病気療養中の執筆活動発覚で懲戒処分を受けたものの、過去にはあの立松和平氏をはじめ『となり町戦争』の三崎亜記氏など、公務員をしながら作家活動を行っていたというケースは多数ある。NHKもそれに倣い、執筆活動に関しては副業・兼業規制の対象外となっているのでは……とも考えられそうだ。

ラノベ作家の“夢のない”収入告白が話題に

今回取沙汰されている逆井卓馬氏だが、23歳だった2019年に新人ラノベ作家の登竜門と位置づけされている「電撃小説大賞」に『豚のレバーは加熱しろ』を応募し、めでたくも大賞に次ぐ“金賞”を受賞。その『豚のレバーは加熱しろ』は、2020年3月に第1巻が出て、最新作である6巻目は22年5月に発売されている。

年齢的にみても、恐らくはNHK入局後にプロ作家デビューを果たしたようで、それだけにその後の出版ペースは、“1冊3か月”とされるラノベ作品の一般的なものと比較すれば、さすがにややスローペースか。

ただ、決して暇ではないだろうテレビ局での仕事と並行して、ラノベ作家としても一定以上の実績をあげるというのは、なかなかマネのできることではないというのは間違いのないところ。SNS上での反応を見ても“親のコネ”や“特別待遇”を揶揄する声もあるいっぽうで、その多芸ぶりに驚くといった反応も多いといった印象である。

いっぽうで、逆井氏本人は自らを“兼業作家”と名乗っており、どちらが正業でどちらが副業かといった意識は無いようだが、下種の勘繰りをすれば「どっちのほうが儲かってるのか?」というのは大いに気になるところ。

ラノベ作家といえば、少し前にとあるテレビ番組の企画で「ラクして稼げる職業ナンバー1」「平均年収が8000万円以上」などと紹介されたものの、それに対して現役の作家からの異論が噴出するといった出来事も。

実際、最近SNS上で話題となっているのが、とある人気ラノベ作家による赤裸々な収入告白。“裏垢”での告白ということで、あくまでも自称なのだが“シリーズ累計100万部超”“アニメ化企画進行中”という、ラノベ作家のなかでも一握りの大成功を収めている部類であっても、その年収は“おおよそ1,087万円”だということで、本人も「夢ないでしょ?」と自虐している始末なのだ。

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そのことを踏まえると、平均年収1,000万円……いや、もっと高給取りだろとSNS上などでしきりに揶揄されるNHK職員のほうが、稼げるうえに安定しているというのは間違いなさそう。この現実を“絶望的すぎるラノベ作家という職業”と捉えるのか、あるいは“NHK職員はあまりに貰いすぎている”と感じるのか、どっちの反応をとるのかは人それぞれといったところだろう。

Next: 「副業禁止を厳密にやると世の大半の作家は消えるよ」

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