fbpx

マスク着用を巡り中学生らに激高&学校にはバット片手に威圧行為。分限免職処分となった医師に「マスク警察の成れの果て」との批判殺到

マスクの着用を巡って地域の中学生を激しく叱りつけるなどした、市営診療所に勤める男性医師が、分限免職処分になったと報じられたことが大きな波紋を呼んでいる。

報道によれば、男性医師は2016年4月から佐賀県神埼市内の市営診療所に勤務していたのだが、昨年7月に診療所などが入る公共施設内で、複数の中学生らがマスクを外して話していたのを見かけ、「新型コロナウイルスの感染者が何人出たか知っているのか」と激高。翌日から学校を度々訪れ、「指導が甘い」と校長らに大声でどなったり、机を蹴ったりしたとのこと。また、バットを持って来校したこともあったという。

報告を受けた市は、男性医師に診療所勤務を続けさせるいっぽう、威圧的な言動や生徒への接触をやめるよう指導していたが、再三の注意を受け入れる様子はなく、最終的に「公務員としての適格性を欠く」と判断。不祥事などによる懲戒処分ではなく、分限処分での免職が妥当と結論づけたという。

マスク着用のためなら暴力も辞さず?

医師という立場から、コロナ対策としてのマスク着用の有用性を訴える……それ自体は話として分からなくもないものの、そのことを他人に強いるために、大声でどなったり机を蹴ったりする、さらにはバットを持ち出し威嚇するといった、さしずめ「健康のためなら死んでもいい」ならぬ「マスク着用のためなら暴力も辞さず」といった行為は、まさに本末転倒もいいところ。

それだけに今回の報道に関しては、男性医師を責める意見が圧倒的で、なかには「マスク警察の成れの果て」「マスク原理主義ここに極まれり」といった声も多くあがっているようだ。

コロナ禍以降マスク着用の是非に関しては、ネット上はもとよりリアル世界でもトラブルが絶えないといった状況で、街を行くマスクを着用しない人を咎めたりといった、いわゆる“マスク警察”の存在が問題視されたことも。またその反面で、そんなマスク警察に激高した人間が暴力的に返り討ちをし、相手に下半身不随の重傷を負わせたという事件があったことも記憶に新しい。

このように長らく続いていたマスク着用を巡る対立だが、今月10日に政府が、新型コロナ対策としてのマスクの着用について、来月13日からは屋内・屋外を問わず個人の判断に委ねる方針を決定したことで、新たな局面を迎えつつあるといった状況。

マスク非着用に対する政府からの“お墨付き”を得た格好となった反マスク側は、これによって俄然勢いづくことになり、SNS上での発信もこのところは大いに目立つといったところなのだが、そんな最中で報じられた今回の件は、そういった向きから“マスク警察らの凶暴性を象徴するもの”として、大いに注目されているようだ。

マスク警察が“逆マスク警察”に化ける事態も

いっぽうで、先述した政府による“マスク緩和”の方針だが、それにより今後その登場が危惧されていると、一部メディアが報じたのが“逆マスク警察”なるもの。

要はマスク着用を強要したマスク警察とは逆に、今度はマスクをしている人にマスクを外すよう強要する人間が現れるのではというのだ。

この報道に対しては、「馬鹿馬鹿しい」といった反応がかなり多く、さらに「マスク警察は感染という恐怖から根ざしてたけどマスク外させたい人はそうじゃない」と、その出現の可能性を否定する声も多いのだが、いっぽうで「マスク民からしれっと素顔民になる人の方がこういう警察になる可能性が高いんじゃ」といった推測をする向きも。

確かにこの世の中、他人にマウントを取りたがる人間は多いだけに、そういった“宗旨替え”をしたうえで逆マスク警察行為に及ぶ者が現れるというのも、可能性としては無きにしも非ずだろう。

とにかく、実際にそういった手合いが現れるか否かはともかくとして、政府が決めた“マスク緩和”以降も、当分はマスク着用あるいは非着用を巡っての論争や対立が続くのは必至といったところか。今の時季は花粉症への対策のため、例年4月あるいは5月ごろまでマスク着用を続けるといった方も多そうなだけに、無用なトラブルが発生しないか大いに案じられるところである。

Next: 「ここまでやってたら逆マスク警察に怯えるよね」

1 2
いま読まれてます

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

MONEY VOICEの最新情報をお届けします。

この記事が気に入ったらXでMONEY VOICEをフォロー