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ChatGPTを中国人はこう使う。月15万円稼ぐAI副業、仕事丸投げほか日本でやれば勝ち組になれる「生成AI」活用術=牧野武文

生成AI『ChatGPT』が世界中で大きな話題になっています。特に中国では「1日2時間やるだけで月8,000元(約15万円)稼げるChatGPT副業」や業務効率化など、一歩進んだ使われ方がされています。今回は日本企業や日本人も参考になる中国式「生成AI」活用術をご紹介します。(『 知らなかった!中国ITを深く理解するためのキーワード 知らなかった!中国ITを深く理解するためのキーワード 』牧野武文)

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プロフィール:牧野武文(まきの たけふみ)
ITジャーナリスト、フリーライター。著書に『Googleの正体』『論語なう』『任天堂ノスタルジー横井軍平とその時代』など。中国のIT事情を解説するブログ「中華IT最新事情」の発行人を務める。

世界に衝撃を与えた生成AI『ChatGPT』

みなさん、こんにちは!ITジャーナリストの牧野武文です。今回は、特別号として、中国の生成AIの現状と、中国の人たちがどのような使い方をしているかをご紹介します。

『ChatGPT』が大きな話題になっています。さらに、画像を生成してくれる『MidJourney』『StableDiffision』なども話題になっています。また、NHKのニュースでもAIがニュースを読み上げるということが始まっています。

このように、文章・画像・音声を生成してくれるAIが「生成AI(Generative AI)」です。

中国でも、テキストを生成してくれる生成AI『ChatGPT』は大きな話題になっているだけでなく、主要テック企業は大きなショックを受けました。なぜなら、このようなテキスト生成AIは、背後に大規模言語モデル(Large Language Model)があり、中国のテック企業もLLMの開発は以前から進めてきたからです。

中国テック企業は「音声」ありきで開発していたが…

中国のテック企業は、このようなLLMを、具体的な用途を念頭に置いて開発してきました。例えば、最も期待されているのが「カスタマーサポート業務」です。製品のお問い合わせ窓口に電話をすると、その会話を認識して、適切な回答をしてくれるというものです。さらに発展をして、銀行や病院などの窓口をバーチャルアバターやロボットに置き換えて、AIが対応する仕組みも開発が進んでいます。

このようなAIは、初歩的なものであればすでに導入されています。百度(バイドゥ)と浦発銀行は共同で、「小浦」(シャオプー)というロボット型のAI銀行員を開発しました。来店客と会話をし、用件を判別して、適切な窓口を案内するというものです。このような「来客の振り分け」をするAIは、病院などにも導入されています。

また、最近、開発熱が高まっているのが「24時間AIライブコマース」です。すでにバーチャルアバターを使い、24時間ライブコマースを行えるシステムは複数の企業が開発をしていて、実際に使われるようになっています。ただし、販売のための口上は、あらかじめ設定された脚本をAIが読み上げるだけで、単調な繰り返しになってしまうのが大きな欠点になっています。

また、ライブコマースの優れた点は、視聴者がチャットで司会者にリアルタイムで質問ができるということです。「色違いの商品はありますか?」とチャットで訊ねれば、人間の司会者であればすぐに反応をして商品を見せてくれますが、今のバーチャルアバターにはそれができません。ここにLLMをベースにした会話生成AIをかませて、臨機応変に対応ができる24時間ライブコマースを実現しようというものです。

つまり、中国のテック企業の発想というのは、具体的な用途を先に想定してLLMを開発するというものでした。そして、人間との接点は音声による会話を想定してきました。

しかし、OpenAI社の発想は大胆なものでした。テキストチャットの形で公開し、用途を限定せず、むしろ多くの人に用途を模索して欲しいという公開の仕方をしました。これにより、世界中で「こんな使い方がある、こんなこともできる」という話題が絶えないのです。

『ChatGPT』から遅れて3月16日に、百度は自社開発のLLM『文心』にチャットインターフェースをつけた『文心一言』を発表しました。この時、李彦宏(ロビン・リー)CEOが「本来はこういう形で発表するつもりはなかった」と消極的な発言をしたため、株価を下げてしまいました。この発言は自社のLLMに自信がないということではなく、テキストチャットという公開の仕方が盲点になっていたからです。

続々と生まれる中国製「生成AI」注目すべき4種+α

では、中国のLLMには百度のほかにどのようなものがあるのでしょうか。調査機関Leonis Capitalがまとめたグラフが参考になります。

LLMはパラメーター数の大きさで性能をほぼ推定することができる。中国が開発したLLMは『GPT-3』とほぼ同レベルのもの。しかし『GPT-4』は100Tという途方もないパラメーター数で、OpenAI社が独走状態になっている。

LLMはパラメーター数の大きさで性能をほぼ推定することができる。中国が開発したLLMは『GPT-3』とほぼ同レベルのもの。しかし『GPT-4』は100Tという途方もないパラメーター数で、OpenAI社が独走状態になっている。

横軸は発表年で、縦軸はパラメーター数です。これはLLMの規模を表し、大きいほど優秀なLLMだと考えて差し支えありません。赤丸が中国のLLMです。

<その1:百度『文心』(Ernie、アーニー)>

GPT-3を上回るパラーメーター数で、この文心にチャットインタフェースをつけたものが文心一言です。2019年に最初のバージョンが公開された古株のLLMです。

<その2:ファーウェイ『盤古』(PanGu、パングー)>

ファーウェイのLLMで、パラメーター数はGPT-3をわずかに上回っています。現在のところ、チャットインタフェースは発表されていないため、スマートフォンやカーナビ、家電製品などに使われたり、企業向けにカスタマーサポートや受付業務などに提供されるものと見られています。

<その3:知源人工知能研究院(BAAI)『悟道』(Wudao、ウーダオ)>

BAAIは主要大学、主要テック企業が合同で設立した戦略的研究機関です。BAAIがサービスを事業化することはありませんが、開発したLLMは公共機関やテック企業に提供されることになります。

<その4:精華大学「GLM」(General Language Model)>

清華大学が開発したLLMで、チャットインタフェースをつけたChatGLMも公開されています。

この4つが主要なもので、その他、復旦大学『MOSS』、テンセント『混元』(HunYuan、フンユエン)、アリババ『通義』(トンイー)などがあります。

どのLLMが優秀なのかという問いに答えるのは簡単ではありませんが、現状ではパラメーター数が大きいほど優秀とみなすことができるため、GPTが他社よりも早く高いレベルに達していることを除けば、米中のLLMは激しい競争をしていることがわかります。

驚きの使い方!日本企業や私たちも参考にしたい中国人の「生成AI」活用術

では、中国の人たちは、このような生成AIをどのようなことに使っているのでしょうか?

これが非常に中国的でユニークです。中国は、最先端のテクノロジーをリスク評価もしないままに社会実装をしてしまい、カオスな状況を生み出してしまうという尊敬すべき愚かさを持っていますが、生成AIでもまったく同じことが起きています。

以下、中国で話題になった生成AIの活用法をご紹介します。

中国人は、究極のリアリストであって、優れたテクノロジーもお金が儲からないのなら意味はないと考えます。そのため『ChatGPT』が話題になると、すぐに登場したのが「1日2時間やるだけで月8,000元(約15万円)稼げるChatGPT副業」で――
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  • vol.163:止まらない少子化により不安視される中国経済の行末。少子化をくいとめることは可能なのか(2/13)
  • vol.162:中国の津々浦々に出店するケンタッキー・フライド・チキン。地方市場進出に必要なこととは?(2/6)

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  • vol.158:アップルが進める脱中国化。最大の課題は熟練工の不足(1/9)
  • vol.157:中国のユニコーン企業の現状。第1世代ユニコーンはどれだけ生き残っているか(1/2)

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  • vol.155:変わりつつある日本製品に対するイメージ。浸透する日系風格とは何か(12/19)
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  • vol.153:SHEINは、なぜ中国市場ではなく、米国市場で成功したのか。持続的イノベーションのお手本にすべき企業(12/5)

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  • vol.152:アリババがいち早く脱GMV化。GMVではなく、CLVにもとづくEC運営へ(11/28)
  • vol.151:原神の売上は東京ディズニーランドとほぼ同じ。90后企業miHoYoの新しいビジネスのつくり方(11/21)
  • vol.150:勢いのある種草ECに対抗するタオバオ。電子透かしを活用したユニークな独自手法を確立(11/14)
  • vol.149:中国スマホゲームの進む2つの方向。海外進出とミニプログラムゲーム(11/7)

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  • vol.147:中高生の消費、10の意外。意外にお金を持っている05后のお金事情(付録)(10/24)
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  • vol.146:WeChat以前の中国SNSの興亡史。WeChatはなぜここまで強いのか?(10/17)
  • vol.145:Tmallがわずか15ヶ月で香港から撤退。アリババも通用しなかった香港の買い物天国ぶり(付録)(10/10)
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2022年9月配信分
  • vol.143:「抖音」「快手」「WeChatチャネルズ」三国志。ライブコマースとソーシャルグラフの関係(9/26)
  • vol.142:ライブコマースはなぜ中国だけで人気なのか。その背後にあるECの成長の限界(9/19)
  • vol.141:Z世代お気に入りのスマホはOPPO。コモディティ化が進む中国スマホ状況(9/12)
  • vol.140:始まった中国義務教育の情報教育。どのような授業が行われることになるのか(付録)(9/5)
  • vol.140:始まった中国義務教育の情報教育。どのような授業が行われることになるのか(9/5)

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2022年8月配信分
  • vol.139:網紅式旅行で成功した重慶市。インバウンド旅行客再獲得のためにやっておくべきことを重慶に学ぶ(8/29)
  • vol.138:Copy to China or Copy from China。新たなビジネスを発想するバイカルチャラル人材とは何か?(8/22)
  • vol.137:私域流量の獲得に成功しているワイン、果物、眼鏡の小売3社の事例。成功の鍵はそれ以前の基盤づくりにあり(8/15)
  • vol.136:株価低迷の生鮮EC。問題は前置倉モデルの黒字化の可能性。財務報告書からの試算で検証する(8/8)
  • vol.135:急速に変化する東南アジア消費者の意識。アジアの食品市場で起きている6つの変化(8/1)

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2022年7月配信分
  • vol.134:中国で始まっているメイカーの時代。中国ITの強さの秘密はアジャイル感覚(7/25)
  • vol.133:データ駆動経営の成長と限界。人とAIは協調できるのか。AIコンビニ「便利蜂」の挑戦(7/18)
  • vol.132:流量から留量へ。UGCからPGCへ。変わり始めたECのビジネスモデル。タオバオの変化(7/11)
  • vol.131:ショッピングモールは消滅する。体験消費が物質消費に取って代わる。モールが生き残る4つの方法(7/4)

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2022年6月配信分
  • vol.130:中国のメタバース状況。教育、トレーニングの分野で産業化。スタートアップ企業も続々登場(6/27)
  • vol.129:SNS「小紅書」から生まれた「種草」とKOC。種草経済、種草マーケティングとは何か(6/20)
  • vol.128:社会運動とビジネスと事業の継続。スタートアップに必要なものとは。シェアリング自転車競争史(6/13)
  • vol.127:WeChatマーケティング。私域流量の獲得と拡散が効率的に行えるWeChatの仕組み(6/6)

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image by:Ascannio / Shutterstock.com

知らなかった!中国ITを深く理解するためのキーワード 知らなかった!中国ITを深く理解するためのキーワード 』(2023年5月3日号)より一部抜粋
※タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による

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