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梅毒患者、早くも年間5000人に到達と過去最高ペースで増加中。都内女性は10年で患者数40倍増もそれに群がる“買春おじさん”が大拡散の元凶か

性感染症の「梅毒」と診断された患者の数が、今月半ばの時点で5,000人を超え、1999年以降で最多のペースとなっていることが分かった。

報道によれば、国立感染症研究所が週ごとに公表する感染症発生動向調査(速報値)で、今年初めから5月14日までの患者数は5,164人にのぼったとのこと。ちなみに過去最高の患者数を記録した昨年は、同期で3,630人だったという。

都道府県別では、東京が1,332人と最多で、大阪(699人)や福岡(257人)など都市部で眼立つ傾向。主に性的な接触で感染する梅毒だが、このところは妊娠中の女性が感染し、胎盤を通じて胎児が感染する「先天梅毒」も懸念されるといい、死産や障害を持って生まれるリスクが上昇したり、流産や早産になることもあるという。

20代女性が感染を拡大との偏った見方も

2010年代前半あたりまでは年間の症例数は全国でも1,000人以下で推移していたものの、2014~2015年頃から急激に増え始め、2018年には7,007例まで増加した梅毒。その後、数年は減少する傾向が続いたが、2021年から再び急ペースで増え続けているといった状況である。

2014年当時に国立感染症研究所がまとめた梅毒の動向によれば、当時は性別でいうと男性の患者が全体の80.7%と圧倒的に多かったといい、増加の原因は不明とされていたものの、患者の多くは男性同士の性的接触の経験を持っていた、と取沙汰されたことも。

ただ、近年では女性の梅毒患者がかなり増えているようで、東京都での患者報告数をみても2012年が34人だったのに対し、2022年は1,385人と約40倍ほど増える結果に。ちなみに同じ期間において男性が263人から2,291人の増加ということで、女性で罹る者が爆発的に増えていることを物語っている。

しかしながら、同じく2022年の東京都における報告数を年代別・性別で分けてみてみると、最も多いのは20代女性で、女性の間ではこの年代が突出して多い結果に。そのいっぽうで男性はというと、20代・30代・40代が同じぐらい多く、それに50代男性が続くといった分布となっているようだ。

こういった傾向を踏まえてみると、約10年前に取沙汰されたような同性間での性的接触による感染拡大ではなく、明らかに異性間での性的接触が原因で増えているのは明らかな状況で、さらにいえば20代女性に20~50代男性が群がる格好で、感染が広まっているといった構図も浮かび上がってくるところ。

とはいえ報道では、やはり女性患者数の伸びが以前と比べて驚異的であり、また20代女性が最も患者数も多い属性ということで、そういった面を大きく取り上げがち。そのため世間では、そんな20代女性が感染を拡大させているといった、偏見交じりの見方も広がっており、それに対して異を唱える意見もSNS上では噴出しているようだ。

梅毒蔓延が噂される“立ちんぼの聖地”の今

梅毒といえば、今では早期に見つけて適切な抗菌薬治療を行えば完治が可能とされてるが、そのいっぽうで感染しても無症状だったり、症状が出てもすぐ消えたりすることがあり、そのことも感染拡大に繋がっているとされるところ。

そういった傾向からも、異性間での性的接触が大きな原因とされる梅毒ではあるが、定期的な性病検査を行うところがほとんどの性風俗店を介しての感染拡大は考えにく、そこで取沙汰されているのが「立ちんぼ」や「マッチングアプリ」といった、いわゆる“素人”同士による性的接触によるものだ。

とくに、都市部での梅毒患者激増の原因とされるのが「立ちんぼ」。都内では大昔から、歌舞伎町にほど近い大久保公園やらハイジア前周辺が、主に外国人女性が多く立つ場所として知られていたが、近年では若い日本人女性もかなり増加。それに伴い“買春おじさん”も増えているといい、あたかも先述した梅毒感染者の多い属性が勢揃いといった様相なのだ。

それだけに、同地で梅毒が蔓延しているといった話も、もはや公然の事実といったように語られているところなのだが、ここ最近は同界隈のこともあまりに広く知れ渡ることとなり、明らかに冷やかしといった向きや、果ては遠巻きに動画撮影するユーチューバーまでも出現。密やかに売買春のやり取りをする場としては、いささか騒がしすぎる状況となっているようだ。

さらに、警察側も立ちんぼの取り締まりに躍起といったところで、さらには同地に警察OBなどの専門相談員置き、地元自治体の就労支援や滞在場所の一時提供に繋げるといった活動も始めるなど、立ちんぼの“根絶”に向けて本腰を入れている。

とはいえ同地の立ちんぼは、生活困窮が原因で春をひさいでいる者ばかりではないというのが実際のところで、なかには「ホストクラブに通いにくくなる」と相談員との面談を断るケースも多々あるとのこと。不特定多数を相手にする立ちんぼの数が減り、それを目当てに集まる男の数も減れば、梅毒の感染拡大にも少しは歯止めがかかるかと期待されるところなのだが、そうはうまくいかないというのが実際のところのようである。

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