Twitterに似たサービスでTwitterではないもの
大方の予想では、マスク氏の一貫性のない方針や、思いつきや、強引な金儲けの方策で、より混乱に見舞われていくのではないか、という話だ。「安定していく要素がない」と嘆く開発者もいる。
マスク氏の挑発的でサイコパス的な言動にも、嫌気が差しているユーザーも大勢いる。イノベーションを次々と形にしていく行動力に心酔して熱狂的なファンを持つ一方で、冷淡な発言や攻撃的な発言で数多くの敵を作る。
こうした混沌(カオス)の中で、Twitterの将来に見切りをつけたユーザーたちは、いよいよ「Twitterに似たサービスでTwitterではないもの」を探すようになってきている。
代替SNSとして、当初はMastodonなどが浮上していたいが、Twitterとは使用感が違い過ぎるのでなかなか代替とはいかないようだ。
そこに現れているのが、Twitter創始者であるジャック・ドーシーがやっている「Bluesky(ブルースカイ)」であり、FacebookやInstagramを擁してるMeta社の新しいSNS「Threads(スレッズ)」である。
「Bluesky」と「Threads」という代替SNS
「Bluesky」は分散型SNSであり、システムの根底はTwitterとまったく違った考え方で構築されている。
しかし、関わっているのがTwitterの創始者であるジャック・ドーシーだし、Blueskyの見栄えもTwitterそっくりだというので、代替SNSとして期待している人はかなり多い。
Twitterが閲覧制限をしたときには、多くのTwitterユーザーがBlueskyに逃避したのでBlueskyのサーバーがパンクした。裏を返せば、それくらい期待されているということでもある。
ただ、まだ開発の途上にあって「今すぐ乗り換えられる」ような状況にはなっていない。これについてはジャック・ドーシー自身も述べている。
もう一方の新しいSNS「Threads(スレッズ)」は、SNSの王者であるMeta社がTwitterの混乱を見ながら急ピッチで開発されたTwitter代替SNSである。
マーク・ザッカーバーグが率いるMeta社は、FacebookやInstagramを成功させてきたSNSの王者であり、そういう意味ではSNSの運営は手慣れている。
「もしかしたら、こちらが本命になっていくのかもしれない」とThreadsを本命と考えるユーザーも多い。全世界の14億8,000万人(2022年1月時点)が利用するInstagramのアカウントがそのまま使えることも大きい。
たしかにInstagramのユーザーとTwitterのユーザーはタイプが違っているので、単純にアカウントが使えるからと言って、全ユーザーが右から左にThreadsを利用するわけではないのだが、Instagramユーザーの10%がThreadsを利用するだけでも1億4,800万人のユーザーが誕生することになる。
Twitterのユーザーは4億3,600万人なので、一気にTwitterのライバルとなる。そうなったら、Twitterに見切りをつけたユーザーもThreadsに流れる可能性は十分にあるわけで、果たしてどうなるのかこれからが勝負である。
Next: Twitterの凋落はすでに避けられない未来か?