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青森ねぶた祭、暴力動画が大拡散。県GDPの約1%を稼ぐ一大行事だけに地元青年会議所は幕引きに躍起も被害者の無抵抗ぶりに「暴力が常習化?」との憶測も

今月7日まで青森市で開催された「青森ねぶた祭」において、大型ねぶたを運行する団体の関係者がねぶたを動かす「曳手」に対して暴力を振るう動画がSNS上で拡散。運行団体の「青森青年会議所」が、暴力行為は事実として謝罪したことが波紋を呼んでいる。

青森青年会議所による謝罪文によれば、暴行を働いたのは同会議所会員とボランティアスタッフそれぞれ1名の運行支援担当者の2名。いっぽうで暴行を受けたのは、ねぶたの曳手6名(会員1名、ボランティアスタッフ5名)で、直前でねぶたが障害物にぶつかったことに腹を立てたのか、「気合を入れ直す」という名目で暴行に及んだという。

さらに同会議所によれば、当事者間においては既に謝罪がなされ、それを受け入れられているということ。謝罪文には「不適切な行動をお見せしてしまったことに運行団体として深く反省し、心よりお詫び申し上げます」と記されている。

「何故警察に逮捕されないの?」との声が殺到

ねぶたの周りで踊る「ハネト」の自由参加が認められるなど、4年ぶりに新型コロナの制限のない形で行われた今年の青森ねぶた祭は、会期中の6日間で101万人もの人出を集めたとのこと。

とはいえコロナ禍以前には、280万人以上もの観光客がねぶた祭を目当てに青森を訪れ、同県のGDPの1%弱を稼ぐほどの大きな経済効果をもたらしていたというから、いまだ新型コロナの影響が続くといった状況のようだ。

それだけに、来年以降のさらなる動員増加のためにも、ねぶた祭の完全復活を大いにアピールしたかったところだろうが、結果的には暴力行為の横行という祭のダーティーな部分が大いに露出する格好に。

しかも、その暴力を振るった加害者側に、地元経済の今後を背負う立場である青年会議所のメンバーも含まれていたというから、まさに目も当てられないといったところだ。

青年会議所側も、件の暴力動画が瞬く間に拡散していくことに相当な危機感を覚えたのか、日頃更新されている形跡のほとんどない公式サイト上にて、素早く謝罪文を公開。さらにその中で「当事者間においては既に謝罪がなされ、それを受け入れられております」と、すでに円満解決をしていることをアピールし、事態の幕引きを図ろうと躍起のよう。

ただ動画を見るに、ねぶたを両手で押しているいわばノーガード状態の曳手を、運行支援担当者が容赦なく殴っており、しかもそれが「手慣れてる」ようにも見えるだけに、謝罪文にあるような“不適切行為”といった曖昧な表現を通り越し、明らかな暴力行為だろう……といった見方がSNS上では大勢を占めており、「暴力は犯罪」「何故警察に逮捕されないの?」といった声も、少なからずあがっているといった状況だ。

「すでに和解」との釈明に対し訝しむ視線も

またSNS上では、謝罪文にあった「当事者間においては既に謝罪がなされ、それを受け入れられております」という一文に対しても、訝しむ視線が集中しているところ。

というのも動画を見る限り、手慣れた感じで殴りつけている運行支援担当者に対し、殴られた側の曳手がまったく抵抗する素振りを見せないことから、普段から運行支援担当者と曳手の間には厳然たる上下関係が存在していたのでは、ひいては殴られるのも日常茶飯事だったのでは……といった印象を受ける向きが結構多いようだからだ。

それだけにSNS上では「上下関係がある中での謝罪の受け入れなんか圧力あったとしか思えない」といった声とともに、そんな関係性をかさにかけての“コトを荒立てたらどうなるか分かってんだろうな?”的な圧も恐らくかかっているのでは、といった憶測も浮上しているところ。

確かにねぶたといえば先述の通り、県GDPの約1%を稼ぎ出す大イベントだけに、土着の人間にとって、これはかなり効く“脅し文句”であろうことは、想像に難くないだろう。

果たして今回被害を受けた側は本当に納得して和解に至ったのかどうか、大いに気になるところなのだが、全国紙などの東京のメディアはともかく、地元のテレビや新聞などのメディアまでも、今のところは青年会議所側の言い分をそのまま伝えるのみの報道に留まっているところ。

明らかな暴力行為で警察沙汰になってもおかしくないとの声も多いなか、今後この事件がどういった顛末をたどるのか、それともこのまま闇沙汰になっていくのか、気になる向きは結構多いようである。

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