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また検討だけで「所得減税」とん挫か。内閣支持率低下で解散できず、選挙がないなら“ばら撒き”も不要に=斎藤満

SNS上で「増税クソメガネ」と酷評され、意地になって減税を打ち出そうとしていた岸田総理。ところが10月になって各社世論調査が軒並み内閣支持率の大幅低下を発表。しかも長崎や高知・徳島での補選も厳しい状況になって、この所得減税の話が立ち消えになりつつあります。解散総選挙が難しくなり、選挙がないなら無理してアメをばらまく必要もない、ということのようです。(『 マンさんの経済あらかると マンさんの経済あらかると 』斎藤満)

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※有料メルマガ『マンさんの経済あらかると』2023年10月19日号の一部抜粋です。ご興味を持たれた方はこの機会にバックナンバー含め今月すべて無料のお試し購読をどうぞ。

プロフィール:斎藤満(さいとうみつる)
1951年、東京生まれ。グローバル・エコノミスト。一橋大学卒業後、三和銀行に入行。資金為替部時代にニューヨークへ赴任、シニアエコノミストとしてワシントンの動き、とくにFRBの金融政策を探る。その後、三和銀行資金為替部チーフエコノミスト、三和証券調査部長、UFJつばさ証券投資調査部長・チーフエコノミスト、東海東京証券チーフエコノミストを経て2014年6月より独立して現職。為替や金利が動く裏で何が起こっているかを分析している。

選挙がないなら減税もナシ?

岸田総理が10月中にまとめると言っていた総合経済対策。物価高対策や持続的な賃上げに向けた投資促進など5本の柱からなりますが、日銀決定会合の後の11月2日に閣議決定に持ち込みたいとしています。

この間、個人の所得税減税の扱いで揺れ動きました。この遅れは日銀の政策決定にも影響するかもしれません。

SNS上で「増税クソメガネ」と酷評され、意地になって減税を打ち出そうとしていた岸田総理。ところが10月になって各社世論調査が軒並み内閣支持率の大幅低下を発表。しかも長崎や高知・徳島での補選も厳しい状況になって、この所得減税の話が立ち消えになりつつあります。

解散総選挙が難しくなり、選挙がないなら無理してアメをばらまく必要もない、ということのようです。

朝日も産経も支持率大幅下落

岸田内閣の支持率はここまで低下傾向でしたが、10月の調査では各社とも軒並み政権発足以来最低に落ち込みました。

毎日新聞調査の支持率は25%で、4か月連続の30%割れ、朝日新聞調査では29%と、前回の37%から大幅下落、不支持率も60%に達しました。共同通信は32.3%で、いずれも最低水準になっています。

自民党寄りの調査でも下げています。産経新聞の調査では支持率が35.6%、不支持率が59.6%となりました。この調査では9割超が物価高が家計を圧迫し、不安に思うと答えています。このため女性の支持離れが目立ちます。また読売の調査でも34%に低下しています。

岸田総理は「内閣支持率の数字に一喜一憂しない」といいますが、与党内には危機感が募っています。

Next: 解散総選挙の機会を逸した岸田政権。危機管理ができない点が致命傷

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