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「そんなに横領していない」自民・堀井学事務所が公表の被害額に犯人が“異議”。2,000万円強の額の隔たりに「使途不明金を押し付け?」説も浮上中

自民党の堀井学衆院議員が代表を務める同党支部などの政治資金収支報告書に、元秘書が約2,364万円を横領したとの記載があったことを巡り、横領を働いた元秘書が「そんなに横領していない」と反論していると報じられたことが、大きな話題となっているようだ。

報道によれば、その政治資金収支報告書には元秘書が同党支部から約1494万円、堀井氏の資金管理団体「ともに歩き学ぶ会」から約870万円を横領したと記載されているとのことだが、その金額が多すぎると元秘書は主張しており、「報告書は虚偽であり、速やかに訂正してもらわないと困る」と話しているという。

堀井議員の事務所の担当者は「事務所内で認識を整理しており、コメントできない」と述べているとのこと。いっぽう、今回記載されていた横領に関して、被害届を出したものの受理されなかったといい、損害賠償を求める民事訴訟は「時間と費用の負担から現時点では考えていない」とのことだ。

横領犯にはすでに執行猶予付きの判決が

政治資金収支報告書に記載された横領被害の金額を巡り、その犯人がツッコミを入れるという、異例の展開となっている今回の件。

SNS上ではそのコメントの異様さもさることながら、「そんなに横領していない」というある意味での語感の良さもあいまって、「破壊力がすごい」「七五調だ…」「政治史に残る名言」などと、そのパワーワードぶりに対し妙に感心する声も多くあがっているところだ。

今回の話の渦中にある堀井学議員といえば、スキンヘッドがトレードマークのスピードスケート選手として大いに知られる存在で、1994年のリレハンメル大会では銅メダルを獲得したオリンピアン。

競技生活の引退後は、北海道議会議員を経て、2012年の衆議院議員選挙に北海道9区から出馬し、見事に当選。現在は4期目で、今年9月からは内閣府副大臣を務めるなど、政治家として着実にステップアップしているところだが、そんな堀井議員の秘書を務めていた人物が、業務上横領などの疑いで逮捕されるというトラブルが発生したのは今年3月のこと。

犯人は地元選挙区で公設秘書を務めていた40代男で、2022年8月に北海道登別市の事務所で預かっていた現金120万円を着服し、横領したという。本人は取り調べに対し「金に困って生活費や飲食代で全部使った」などと容疑を認め、その後の裁判で懲役3年、執行猶予5年という判決が下されていた。

ちなみに元秘書が逮捕された際、堀井議員は自身のnoteにおいて「私、妻、秘書、事務所スタッフは、本人の更生を信じ粘り強く対応してまいり、寛大な心で見守り、私の指示で事務所一同、彼を信用・信頼してきただけに、裏切られたことは、残念でなりません」と、もともと何やらいわくありげな人物だったというような、そんなニュアンスにも受け取れそうなコメントを残している。

横領事件が続発中の堀井事務所

いっぽうで、堀井議員の秘書絡みのトラブルといえば、実はこの40代男以外にも、事務所経費を横領した人物が存在するという話も、一部メディアで取沙汰されていた模様。

その人物は、堀井議員の東京事務所で働いていたという女性秘書で、彼女が同事務所で会計を担当した21年9月から22年8月までの間に、573万円もの大金を不正に引き出したとのこと。その後、事務所内部で横領が明るみに出そうになると、彼女は“適応障害”の診断書とともに、休職届を郵送し、そのまま雲隠れしてしまったというのだ。

これらの元公設秘書の40代男と東京事務所の女性秘書だが、示し合わせて犯行に及んだということではなく、どうやら北海道の選挙区事務所と東京事務所の両所に、手癖の悪い秘書がほぼ同じタイミングに在籍し、それぞれが横領の悪事を働いていたという、ある意味で奇跡的な巡りあわせだったよう。

とはいえ、そのような人物を秘書として、しかも2人も抱えてしまったという、堀井氏やその事務所の“人の見る目のなさ”は絶望的なレベルと言っても良さそうで、また両者に易々と横領を許してしまったという、金銭管理の相当な杜撰さも指摘できうるところ。

実際、今回の件に関しても、元公設秘書の40代男を巡り立件された横領額120万円と、堀井事務所が政治資金収支報告書で記した約2,364万円とでは、差額にして2,000万円以上の隔たり、約20倍という大きな差が存在。

しかも、今回記載された横領被害というのが、なぜか警察に被害届が受理されなかったということで、さらに費用面や時間面の負担を考慮して、民事での訴えは考えていないとのこと。SNS上では、そういった経緯を不審がる向きも多く、「使途不明金を横領犯に押し付けてるのでは……?」といった邪推も、一部から出ているところだ。

堀井事務所サイドは今回の件に関して、先述の通り「事務所内で認識を整理しており……」とコメントをしていないのだが、“使途不明金隠し”といった見方まで広がるなか、早急なる説明が求められるところだ。

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