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一極支配の世界の終わり…日本は「米国のポチ」のままでいられるのか?2つの戦争がもたらした変化=斎藤満

行き詰まった一極支配

結局、ロシア対米国、イスラエル対ハマスの闘いは、世界一極支配勢力対多極化勢力との戦いで、前者は多極化のロシアが、後者では一極支配の米イスラエルが優勢という「ねじれ」の形になっています。しかも、イスラエル戦争では米国がイスラエルの強硬路線についてゆけず、チームの分断も見られます。それだけ一極支配が行き詰まった形に見えます。

少なくともイスラエル戦争では国連総会での特別停戦決議に153か国が賛成し、イスラエル・米国など10か国の反対で、一極支配勢力は苦しい立場となりました。一極支配勢力も英国では時のジョンソン首相がすでに退き、バイデン大統領とネタニヤフ首相の関係にも溝ができました。そしてバイデン大統領の再選も厳しくなりました。

米英などの一極支配勢力は、米英の力の衰退のなかで、中国習近平体制を看板にして世界支配を進めようとしましたが、習近平国家主席がその任にあらずということが判明し、このシナリオも行き詰まりました。

中国はイスラエルともイスラム勢力ともうまくいっていません。中国は一極支配勢力にかつがれて動くことは難しくなり、むしろロシアなどとともに、アジア・ユーラシアでの多極化の一端を担う可能性があります。

問われる日本の立ち位置

バイデン政権の保護のもとに成り立ってきた日本の岸田政権はこれまでのどの政権にもまして米国盲従の姿勢でしたが、米国の安倍派たたきのあおりを受け、岸田政権自体の基盤が揺らいでいます。

岸田政権が生き残ったとしても、一極支配のバイデン政権の支援にも限度があり、米国が共和党政権となれば、岸田政権は存立基盤を失います。そうなると改めて日本の立ち位置が問われます。安倍派のキックバック問題を機に、自民党、日本の政治自体が「ガラガラポン」を迎えようとしています。

これまでのしがらみ、膿を出し切った後は、新しい世界の中でまだ一極支配勢力に加わるのか、はたまた縄文古来の日本の行動様式にのっとり、多極化の中で日本が1つの大きな安全地帯になるのか、分岐点に差し掛かっています。

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